鬼十則がイノベーションを阻害していた可能性もある
蓮村:鬼十則はビジョンを達成するための行動原則であり、その原則は「ここを目指そう」という理想を示すのと同時に、「これができない人は“仲間”じゃない」という最低限のコモンセンスを示す側面もあるということですね。最初に日本の労働の仕組みとイノベーションがアンマッチというお話がありましたが、倫理規定はその状況を打破する要因になり得るのでしょうか。
小柳:終身雇用や年功序列など、広い意味で日本の雇用体制が変わらない限り、やはり何をやっても無理だと思います。一方で、沈みゆく日本を前に、現行のシステムもさすがに耐用年数を過ぎてきました。会社単位では必要に迫られて、雇用体制を変えていくところもあります。その際に必要なのが“ルール”です。