住友化学は、生成AIを活用した同社版ChatGPTとして「ChatSCC」を開発し、約6,500名の全従業員を対象に運用を開始した。足元では生産性向上を実現するとともに、将来的には同社独自データの有効活用による既存事業の競争力確保、加えて新規ビジネスモデルの創出へとつなげていくと述べている。
ChatSCCの特徴は、入力情報が外部に漏れないセキュアな環境を持つことで、同社独自情報を取り扱うことができる点。一般的なオフィス業務(文書作成、校正、プログラムソースコード生成など)で利用できることに加えて、技術アイデアの創出や研究・製造データの分析に活用することも可能になるという。
事前検証では、典型的な約200の業務パターンをテストし、最大で50%以上の効率化を確認。本格運用開始後は、導入効果を最大限発揮させるため、利用頻度の高い指示や質問のプロンプト集、業務シーンにおいて有効な指示文書作成テクニック、順守すべき禁止・注意事項の規則、初心者向け教育動画などを従業員へ公開し、利用拡大を促進しているという。
今後は、ChatSCCに同社独自データを連携させ、社内の各組織で蓄積されたナレッジをより効果的に利用できるスキームを整備していくとしている。将来的には、特定分野のデータをもとに追加学習を施した“特化型モデル”の構築なども視野に含めつつ、業務効率向上および付加価値創出の取り組みを加速していくと述べている。