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鹿児島銀行が「Payどん」で目指す、地域経済の活性化──顧客起点での機能拡張と信頼の両立とは?

ゲスト:株式会社鹿児島銀行 上岡竜氏、森丈幸氏/株式会社インフキュリオン 角野大樹氏

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金融や決済の突出した専門性が独自機能の開発を可能に

──具体的に、ユーザーからのどのような声を受け、どのようにサービスを改善したのかお聞かせください。

上岡:お客さまに非常にお喜びいただいたケースとしては、「デジタル地域振興券」との併用払いの機能があります。デジタル地域振興券とは、Payどんアプリ上で自治体などが発行するプレミアム付きの地域振興券です。2020年以降はコロナ禍における飲食店支援などを目的に積極的に展開され、Payどんユーザー数拡大の原動力にもなりました。

 しかし、デジタル地域振興券の利用が広がる中で、地域のお客さまや事業者さまからPayどんの機能に対する不満も届くようになります。それがデジタル地域振興券とその他の決済手段の併用でした。例えば、1,000円の買い物をする際に、そのうちの300円をデジタル地域振興券で、残りの700円を前払いバリューで支払うといった併用払いが、店舗によって行えない状況がありました。ユーザーからすると、併用払いができなければデジタル地域振興券の残高を使い切るのが難しいため不満が残ります。そこで、その声をインフキュリオン社に共有し、併用払い機能の追加開発を実施しました。

角野:当初、併用払いの機能は想定されるロジックが複雑で、開発コストや納期も大きくなることが予想されました。そこで、よりシンプルな構成で機能を開発するため、当社内の各方面の有識者を集め、議論・アイデア出しを行いました。その後、鹿児島銀行さまへ入念にヒアリングしながら機能の実現に向けて開発を進めました。結果的に、予算内での追加開発が実現し、併用払い機能も無事リリースできました。

角野大樹
株式会社インフキュリオンEmbedded Fintech 事業開発部マネジャー 角野大樹氏

上岡:今後もサービスの機能拡張には積極的に取り組んでいきます。例えば、事業者さま側で決済者情報を確認できる機能を現在開発中です。開発のきっかけは「集金としてPayどんを利用したい」との地域の生の声が届いたことです。現金集金が主となっている町内会からも要望をいただきました。こうした細やかなニーズをサービスに反映するのは容易ではないのですが、Wallet Stationならば実現できると期待しています。

角野:地域に根差したキャッシュレス決済という面で、当社はWallet Stationのほか、次世代型カード発行プラットフォーム「Xard」、請求書支払いプラットフォーム「Winvoice」など、複数の金融プラットフォームを提供しており、金融・決済分野において数多くの実績とノウハウを有しています。これらの社内アセットを活かして、お客さまのご要望やエンドユーザーさまのニーズをサービスに反映できるのが強みです。

Xard
資料提供:株式会社インフキュリオン/クリックすると拡大します
Winvoice
資料提供:株式会社インフキュリオン/クリックすると拡大します

上岡:たしかに、先に述べた機能以外にも、インフキュリオン社には機能拡張の要望をいくつも実現いただきました。キャッシュレス決済サービスが乱立する昨今、自社ならではの機能を提供できるのはサービスの大きな強みになります。その点で同社の支援は非常に心強いです。

 また、同社には高い信頼感も感じています。実際に、Payどんのリリース以来、システムの不具合など運用に関するトラブルに見舞われたことは一度もありません。Payどんの強みは、長年地域に根ざして事業を営んでいる地方銀行である当行がサービスを提供していることです。「初めてのキャッシュレス決済で不安だったが、鹿児島銀行が提供しているから使いはじめた」というお客さまも数多くいらっしゃいます。特に、そうしたサービスへの信頼感は絶対に裏切れないので、インフキュリオン社には支えてもらっていると感じています。

Payどんを起点に地域社会のデジタル化をリードする企業グループへ

──それでは最後に、それぞれのお立場から今後の展望をお聞かせください。

上岡:Payどんの今後の目標としては、2024年からの3年間でアクティブユーザー数7万人を目指しています。2024年末時点でのアクティブユーザー数は約4.6万人です。今後は、先ほど紹介したような機能拡張などに取り組み、ユーザーのニーズを取り込みながら、より多くのお客さまや事業者さまに愛されるサービスを築いていきたいと思っています。

 しばしば、Payどんを含む自社型コード決済サービスや「◯◯Pay」などの汎用型コード決済サービスでは、ポイント付与などの経済的なインセンティブでユーザーの獲得が図られます。Payどんもデジタル地域振興券が拡大の要因ではあったのですが、そうした要素だけでは当行が目指す地域社会のデジタル化をリードする企業になるという目標は実現できないと考えています。これからは地域の皆様のかゆいところに手が届くような機能を、いかに提供できるかがサービス成長のカギです。今後もインフキュリオン社と協働しながらPayどんをより磨き上げ、鹿児島銀行が構想するデジタル社会の未来像の実現に向けて取り組みを進めていきたいです。

:今後、よかど鹿児島はPayどんとの連携をさらに強化して、施設としての価値を高めていきたいです。直近では、紙媒体で配布している館内専用のクーポン券をPayどんで提供することを検討しています。Wallet Stationはサービスの機能を拡張しやすいプラットフォームであるため、施設との連動施策を実施しやすいのが魅力ですね。こうした施策を通じてキャッシュレス決済普及をさらに押し進め、地域社会のデジタル化に貢献したいと思っています。

──本日は貴重なお話をありがとうございました。

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この記事の著者

島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社インフキュリオン

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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