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知識産業化する環境に適した“ビジネス設計”

第4回

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バリューチェーンでは表現できない複雑化する事業環境

 本連載の第1回目で、ビジネスモデルとは「ビジネス設計の論理的な構造を表現するものであり、事業体が価値を生成、提供、獲得するための仕組みを表現するものである」と定義しました。

 インターネットの登場以前において、特定の事業体の活動を表わす仕組みとして最も活用されてきたのは、ポーター教授が提唱したバリューチェーン(価値連鎖)ではないかと思います(図1)。

バリューチェーンモデル図1:バリューチェーンモデル

 バリューチェーンは今でも有効なフレームワークですが、Yahoo、eBay、Googleといった新興企業のようにバリューチェーンでは上手く説明できないビジネスが増えてきているのも事実ではないかと思います。そこで登場したのが「ビジネスモデル」という新しい考え方です。

 ビジネスモデルという言葉が頻繁に使われるようになったのは、1990年代後半のいわゆる「ドットコム・ブーム」からのようです。また、米国の連邦高裁がビジネスモデルに特許性を認めたことが、さらに拍車をかけました。このドットコム・ブームの顛末は記憶に新しいところですが、ビジネスモデルという考え方は、その後も様々な方面で研究されてきました。

 成功するビジネスモデルとは何かを説明することはできませんが、失敗するビジネスモデルは、「ストーリー・テスト」(話の筋道が通っているか)、あるいは「ナンバー・テスト」(収支が合っているか)のどちらかに合格しないものである、とコンサルタントであるジョアン・マグレッタ女史は語っています。多くのドットコム企業が倒産または消滅してしまったのは、そのビジネスモデルが2つのテストに合格していなかったようです。

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ビジネスモデル・オントロジーで全体像を表現する

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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