2026年6月11日、リクルートは、従業員コンディション可視化ツール『Geppo』による全国の就業者15,000人を対象とした「エンゲージメントと行動・成果の実態把握調査」の結果を発表した。
同調査では、従業員の職場推奨度を示す指標「eNPS(Employee Net Promoter Score)」を用いた分析を行った。eNPSは「現在の職場を親しい友人や知人にどの程度おすすめしたいか」を0~10点で評価し、9~10点を付けた“推奨者”の割合から0~6点の“批判者”の割合を差し引いた指標である。今回の日本の職場におけるeNPS平均値は-75.0。推奨者は3.5%(531人)、批判者は78.5%(11,782人)だった。

調査結果によると、エンゲージメントが高い層は自発的な組織貢献行動が際立った。推奨者は知人へのリファラル採用協力が20.7%で、批判者(3.0%)の約6.9倍、新ITツールの率先活用・周囲への展開も32.2%と批判者(7.0%)の約4.6倍となった。また、月3時間以上のスキルアップや業務改善提案、ノウハウ共有などの行動でも推奨者と批判者に差が認められ、エンゲージメントの高さが単なる満足度ではなく、組織を前向きに動かす行動と関係していることが示唆された。

一方で、業務上のミス報告については、批判者が報告しない割合が19.5%と推奨者(10.8%)の約1.8倍に上った。エンゲージメントの低さは、ミスなどの異変が組織に伝わりにくくなるリスクに直結する可能性が示された。

従業員のやる気やコンディション低下に対し、回復過程にもエンゲージメントの違いが現れた。上司のサポートにより回復した層のeNPSは-42.9、自力回復層は-80.1と、37.2ポイントの差があった。また、上司からのサポートが1つでもあればeNPSは18.8ポイント改善し、「定期的な1on1」や「声がけ」など、特別な施策に限らず部下への関心自体が有効であることが判明した。


本調査結果から、業務のデジタル化や生成AI等の導入だけでなく、従業員エンゲージメントの可視化と上司の積極的なサポートによる環境整備が、企業変革や新規事業の推進において重要な土台となることが示された。
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