利益を生む構造をどう作る?研究者たちが直面した壁
椿:コンテストで優勝し、サービスインするまでに一番大変だったことは何でしょうか。
牧本:私たちは「もち麦で日本を健康にしたい」という想いで勢いよくスタートしたものの、ビジネスモデルを描くことが一番大変でした。インタビューを通じてお客様のニーズがあることはすんなりわかりましたが、そこからどうやって利益を生む構造を作るかという部分です。
児島:皆さん研究職でしたので、ビジネスの枠組みを作るのは未知の領域ですよね。事務局側からもメンターをつけてサポートしていましたが、最初は本当に手探りで苦労されていました。
清水:利益構造を作るのが初めてだったので、付加価値をつけて少し高い値段で購入していただけるかどうかの検証に苦労しました。さらに農作物なので、畑での生産量をしっかり確保することと、販売先を見つけることの両輪を並行して進めるのが本当に難しかったです。
椿:生産体制はどのように整えていったのですか?
清水:事業撤退からほぼ手つかずで、契約状況もわからない状態でした。そのため、実際に生産者の方にお会いして現場の状況を伺うことから始めました。今日に至るまで、強い想いを持ったもち麦生産者さんが細々と種を繋いでくださっていたおかげで、今こうして私たちが新規事業に取り組めています。
社内アセットをフル活用。飲食店から攻めるBtoB戦略
椿:販売戦略として、なぜBtoB(飲食店)を選んだのでしょうか。
牧本:まずはサッポロビールの営業で活用している繋がりや、ステークホルダーにアプローチをかけたいと考えたからです。社内起業ならではの強みを活かしました。
清水:過去に食品事業部がレッドオーシャンに飛び込んで失敗した経験があるため、同じ轍を踏まないよう避けたい思いがありました。私たちは事業部を持たずに活動しているため、飲食店に導入していただくという方法を取りました。現在は製麦会社から直接BtoBで出荷してもらえる仕組みができ、私たちの負担なく受発注が完結するようになっています。
児島:私は現在チームにも加わりブランディングを担当していますが、飲食店に導入していただく中で、「サッポロのもち麦」という価値をどうお客様に伝えていくかが大きな課題です。他の雑穀との区別がついていないことも多いため、見せ方は工夫しています。
清水:北海道ではウェブサイトを通じたBtoCも行っていますが、BtoBで共感してくださる企業と一緒に取り組み、店頭で露出を図りつつ、そこから「家でも食べたい」とBtoCのネット購入に繋がる形が理想的だと考えています。



