経営陣の“マインドシェア”を勝ち取る「月次モニタリング」
栗原:経営陣、事業部、経営企画、経理財務による「月次モニタリングの流れ」に関して、新規事業に携わる方々が意識すべきポイントは何でしょうか。
井上:意外と思われるかもしれませんが、最大のポイントは「経営陣に新規事業の進捗を直接報告・議論する機会を定期的に設定すること」です。大企業の経営陣は、日々膨大な経営課題や社内外の情報洪水に飲まれています。その中で新規事業への「マインドシェア」を勝ち取らなければ、必要なサポートやリソースを引き出すことはできません。
月次の報告サイクルに新規事業を組み込むことで、進捗報告だけでなく役員からのフィードバックや相談事項を直接持ちかけることができます。経営陣側にも「自分たちが事業を育てている」という感覚が生まれます。さらに、もらったフィードバックを翌月の事業推進に即座に取り入れて改善報告を行うと、経営陣はより前のめりになり、予算や人件費などのリソース獲得や役員層からのバックアップが得られやすくなるという素晴らしい循環が生まれます。
AI時代の経営企画に求められる「ヒューマンスキル」
栗原:最後に、DriveForceおよびディグルとしての支援体制と、経営企画の方々へ向けたメッセージをお願いいたします。
井上:当社DriveForceとして「中期経営計画や新規事業計画の策定」といった“攻めの支援”を行い、ディグルとして「予実管理の高度化や管理会計の導入」という“守りの支援”を両輪で伴走できればと考えています。
昨今、AIの進化が目覚ましいですが、カッツモデル(以下、図)で言われる「テクニカルスキル(データ集計や財務分析)」は、ディグルの「FP&Aエージェント」のようなAIプロダクトが自動で行い、メッセージ抽出まで一般化される時代になります。だからこそ、これからの経営企画に最も求められるのは「ヒューマンスキル(社内関係性構築・対話力)」です。
「AIがこう言っているから」という理由で納得して動く現場や社員はいません。社内のステークホルダーを動かし、不安と戦う新規事業担当者を支援し、経営者と深い信頼関係を築いて組織を動かすのは、最終的には「人の熱量とヒューマンスキル」です。作業系はAIに任せ、ヒューマンスキルと対話力を磨いて組織をドライブさせていくことこそが、これからの経営企画にとって最も重要になると確信しています。
栗原:経営企画における「新規事業」と「管理会計」というありそうでなかった新規性のある視点を提供いただけたと思います。本日はありがとうございました。




