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企業価値向上のためのHRBP

NECが挑むビジネスリーダーとHRBPによる事業変革──戦略を「実行」に変える人事の真価とは

ゲスト:日本電気株式会社 渡辺健介氏、阿部立禎氏、植田温子氏

栗原 茂(Biz/Zine編集部) [著] / 林 紗也 [写]

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コングロマリット・ディスカウントを突破するHRBPとFP&Aによる戦略的横串とは

加藤:先日とあるエリアに本社を置く企業を集めたイベントで講演をし、経営層の方々と対話をしてきました。それは、単品事業の企業よりも複数の事業を抱えるコングロマリット企業ほど、「HRBPやFP&Aの取り組み」に対する問題意識が非常に高く、食いつきが全く違うのです。投資家からも「コングロマリット・ディスカウント(事業複合体による評価減)」が厳しく追及される時代において、事業ごとのサイロ(縦割り)を打破して全社バリューにレバレッジをかける横串機能こそが、まさにHRBPやFP&Aの本質的な価値ではないかと感じた瞬間でした。

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株式会社アクション・デザイン代表取締役/経営ケース研究所 所長 加藤雅則氏

渡辺:そのとおりだと思います。NECもITサービスと社会インフラ(航空宇宙・防衛・海底ケーブルなど)という非常にユニークで強みのある事業ポートフォリオを有しています。単品事業の企業と異なり、事業ごとのリスクをヘッジしながら組み合わせで成長させるチャンスがある一方で、横串を通さなければ単なる「バラバラな中規模組織の集まり」になってしまいます。各部門でやっていることを横串でつないで一つの強いビジネスブランドにする「BluStellar」の取り組みもまさにそうですし、それを支えるHRBPやFP&Aの存在が勝負の分かれ目になります。

加藤:トップダウンでの定義付けと、泥臭い「最初のゴロ(小さな成功体験)」の積み重ねの両方が噛み合ったわけですね。また、自社での変革プロセス自体を顧客に提供する「クライアントゼロ」という考え方も非常に浸透していますね。

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資料提供:日本電気株式会社/クリックすると拡大します

渡辺:お客様へ提案する前に、自分たちが伝統的企業の縦割りや慣習を乗り越えて実行してきたコーポレート・トランスフォーメーション(CX)の実践知(クライアントゼロ)があるからこそ、お客様の経営課題に対してもリアリティを持った提案ができます。10月にNEC本社ビルにオープンしたBluStellar StudioでもそうしたNECの実践値をお客さまとの対話を通じて経営課題や事業変革の方向性をともに見出し、次のアクションへ結びつける場に刷新しました。

加藤:人事/HRBPの立場から見て、こうした事業戦略への深いコミットメントに対して、既存の人事部門メンバー内の受け止め方に戸惑いなどはなかったのでしょうか。

植田:正直に申し上げると、両方の受け止め方がありました。長年の事業部人事として培った制度や労務の知見、従業員への人事制度サービス提供に誇りを持つメンバーも多く、全員が即座に戦略領域へシフトできるわけではありません。それぞれのキャリア志向や得意分野を見極め、強みを活かせる役割配置に関して時間をかけて進めています。

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阿部:「人事としての正論」が、必ずしも短期的・長期的事業成長に直結しない場面もあります。事業の成果にコミットする覚悟と、人事としてのこだわりをどうバランスさせるかに悩むメンバーもいますが、HRBPが真の価値を発揮するためには、事業の成果に直結する戦略実行へ足を踏み出すことが不可欠だと感じています。

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資料提供:日本電気株式会社/クリックすると拡大します

AI時代における人事やHRBPの本質的な価値

加藤:昨今、生成AI(AX)やピープルアナリティクスの進化が目覚ましいですが、テクノロジーの進展によって人事部門、特にHRBPの役割や立ち位置はどう変わるとお考えですか。

阿部:定型的な手続き業務や複雑なデータ分析、初期集計などはAIによって圧倒的に高速化・高度化しています。しかし、人間は非常に複雑で多元的な存在です。数値データには現れない現場の微妙なニュアンス、対面でのコミュニケーションでしか得られない本音や感情をHRBPが泥臭く汲み取り、ビジネスリーダーとともに「人の気持ちを動かす」というラストワンマイルの実行プロセスは、決してAIには代替できません。AIを前提として業務や必要能力を再設計しつつ、人は判断、創造、対話、関係構築という人間中心のコア領域に集中すべきです。

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植田:私もまったく同感です。データに基づいて客観的な示唆を出す部分はAIを活用しつつ、その示唆をもとに泥臭く組織を動かし、人々の熱量を引き出していく局面こそ、私たち人間に残された真の価値提供領域だと実感しています。

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部門経営の羅針盤「Playbook」とHRBPとFP&Aの同期

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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