損害保険業界において「DX/CX業務」に取り組む“好対照”なペア
ビービット 執行役員/エバンジェリスト 宮坂祐氏(以下、敬称略):あいおいニッセイ同和損保でデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)に挑まれている佐古田さん、板谷さんに実践者ならではのリアルな本音をお聞きしながら、実際の取り組みについてお伺いします。
板谷さんはDXによる新規事業開発のご担当で、当社もコンサルタントとして深く関わらせていただいています。そして、さらに既存事業の変革にDXに取り組まれている佐古田さんにも同席いただきました。それぞれの取り組みについて伺うことで、組織全体のDXの課題や可能性、実践のコツなどを浮き彫りにできればと考えています。まずは板谷さん、そして佐古田さんの現職以前のご経歴についてご紹介いただけますか。
あいおいニッセイ同和損保 板谷 和彦氏(以下、敬称略):2010年にあいおい損保で金融工学の数理的知識を活用して金融商品の設計等をする「アクチュアリー」として入社し、グループ内再編で2011年よりMS&ADホールディングスに移ってからも経営・リスク管理の職務に携わっていました。もともと入社前から独立志向が強く、経営に携わりたいと考えておりました。損保業界の課題を感じ、会社や業界を変えたいという思いのもと、2015年に社内ベンチャープログラムに手を挙げ、採用されたことを契機に現在の部門に移り、現職に至ります。
あいおいニッセイ同和損保 佐古田有宏氏(以下、敬称略):私は1997年の入社以来ずっと営業畑を歩き、約19年間、ほぼ営業現場で過ごしてきました。2016年に経営企画部に配属され、戸惑いながらも板谷と2人でICTプロジェクトをスタートさせることになりました。新規事業を板谷、既存事業を私が担当し、現在は総勢100名を超えるメンバーとともに「会社を変える部門」として業務にあたっているところです。
もともと「ICTプロジェクト」の名のもと、“テクノロジードリブン”で業務改革を行なおうとして失敗し、“現場希望ドリブン”にシフトして失敗し……。現在では経営企画として広い視野からプロセス改善だけでなく業務そのもののあり方を考え、現場とともに改善・変革に取り組んでいく “社内コンサル”的な立ち位置になっています。