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LSTやフーマーフレッシュで体現する、中国版「三方良し」。アリババによる小売業のデジタル変革とは?

Biz/Zine Day セミナーレポート Vol.2:アリババ株式会社/アントフィナンシャル ジャパン小滝 浩哉氏

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小売業のデジタル変革を支える、アリババの既存事業の実践知

 アリババというと、11月11日の独身の日に「過去最高の約4兆1000億円を1日で売り上げた」と報道されることで有名である。また、最近では日本でも始まったモバイル決済の一種、「支付宝(Alipay、以降アリペイ)」サービスの運営を関連会社のアント フィナンシャル サービス グループが行っている。しかしアリババの実態を知る人は少ない。小滝氏は、アリババグループの事業紹介から講演を始めた。それは、既存事業によって培ったものが、小売業のデジタル変革を支えているからである。

 アリババが1999年に最初に立ち上げた事業は、「アリババ ドットコム(Alibaba.com)」というBtoBプラットフォームだった。これは、それまで各企業がラスベガス、ハンブルク、ドバイ等、世界各地の展示会に出展し、または足を運んで商談を行っていたものを、オンライン上に移行したものである。

 2003年からは「淘宝(Taobao.com、以降タオバオ)」というCtoCのeコマースプラットフォーム事業を開始。これは楽天に似たサービスで、オンライン上に商店街を作るようなものである。2004年、決済サービスとして生まれたのがアリペイである。アリババがアリペイを発表したのち、多数の企業が○○ペイのサービスを開始した。しかし中国の調査会社analysysが公表したレポートによると、2019年第3四半期時点でのモバイル決済のシェアはアリペイが53.6%、「微信支付(WeChat Pay、以降ウィーチャットペイ)」が39.5%と、2社でシェア9割を超えている。

 アリペイとウィーチャットペイ等の誕生によって、中国ではスマホユーザー数に対するモバイル決済の利用率は今や8割を超えたといわれている。スマホユーザーの半数弱が、日常生活で使うお金の多くをスマホで支払っているという。釣り銭がないために逆に現金を受け取らないというお店も出てきている。アリペイの誕生によって現金中心だった中国の消費の仕方は、ガラリと変わった。そして、アリペイがあったからこそ、アリババは様々なデジタル変革を行えている。

 2008年にはBtoCプラットフォーム「天猫(Tmall、以降Tモール)」がタオバオのスピンオフとして生まれた。Tモールは後に独自のサイトを設け、越境ECサイトであるTモールグローバルも展開し、世界中から数多くのブランドが参加するECサイトになった。独身の日にアリババが行うセールの中でも、このTモールでの成長が目覚ましい。

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