ロジックもエビデンスもない“未来の物語”は存在目的から生まれる
加藤:戦前日本の大手企業の物語は、「国産化の物語」だったんですよね。欧米の列強に追いつけ追い越せで、国産化しなければいけないという存在目的があった。それを達成したところで物語を喪失してしまったんじゃないでしょうか。
梅本:明治維新以降、富国強兵という経済、社会の大きな物語があって、それにうまく接合できた会社が伸びてきたわけです。戦後、日本全体が焼け野原になったところから創業したソニーのような会社も、「国をつくり直していく」という大きな物語に沿って発展してきましたね。