井出氏を強烈に衝き動かす個人のPurpose
永井:先ほど「ワコムが死に絶えてもビレッジが回る仕組みを作る」とおっしゃいましたよね。そうまでして存在させたいのはなぜでしょうか。
井出:誤解を恐れずに言えば、非常に個人的な話が原体験にあります。私にはダンサーをやっている娘がいるのですが、今回のコロナ禍で仕事を全部失ってしまいました。今はシェアハウスに住んで食費を切り詰め、アルバイトをしながらダンサーの仕事を探してステージに上るという生活をしています。親の欲目もあるかもしれませんが、私は彼女の踊りをとても価値があるものとしてリスペクトしています。プロモーションビデオの撮影を手伝うのですが、映像効果で震わせているのかと思われるほど、感動で手が震えてしまうこともあります。私が命をかけて仕事をしているのと同じように、彼女は命をかけて踊っており、生命の躍動を感じるのです。