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デザイナーとバンカーによる、足し算と引き算の顧客体験設計──みんなの銀行がユーザーに刺さる理由とは?

登壇者:株式会社みんなの銀行 取締役頭取 永吉健一氏

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 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下の「みんなの銀行」は、国内初のデジタルバンクとして2021年5月にサービス提供を開始した。デジタルの強みを活かして全国の若い世代を取り込むことに成功し、順調にサービスを拡大している。FFGとして2022年度DX銘柄にも業界から唯一選出されるなど、その原動力となり注目を集める同行のDXの取り組み。そのポイントは徹底した顧客体験の磨き上げにあるという。銀行の再デザイン、再定義を掲げる同行はどのようにして顧客体験を設計・開発・改善していっているのか。Biz/Zine Day 2023 Winterから、みんなの銀行 取締役頭取 永吉健一氏による基調講演「金融DXにおける顧客体験設計」の内容を紹介する。

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“未来の顧客”が本当に必要とする銀行

 永吉氏は本題である「みんなの銀行」の取り組みに触れる前に「DXとは何か」を改めて確認することから始めた。

 経済産業省が2022年9月に公表した「デジタルガバナンス・コード2.0」では、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」であると定義されている。

DXの本質
永吉氏の講演資料より(図版内出典:経済産業省「「デジタルガバナンス・コード2.0」」(2022年9月13日)
クリックすると拡大します

 ここで最も重要なのは「顧客や社会のニーズをもとに」という箇所だと永吉氏。「DX=Digital Transformationというからにはデジタル、データの活用はもちろん必須。だが、それはあくまで手段であり、本質は顧客起点の変革というところにあると思っている」という。

 先に触れてしまうと、「みんなの銀行」は既存の銀行や金融サービスをデジタルでどのように置き換えるかという発想から生まれたものではない。そうではなく、来るデジタル時代(すなわち未来)の顧客が本当に必要とする銀行はどのような姿をしているだろうかとほぼゼロベースで発想することにより生まれたものという。

 未来の顧客とはどういった人たちなのか。彼らが抱える課題やニーズは何か。そこから発想すると、銀行および金融サービスはどのようなものである必要があるのか。

 「みんなの銀行」という組織はこうした問いを順に追って解き、また継続的に解き直すための仕組みをさまざまな形で備えている。それはどのような仕組みなのかをかいつまんで紹介するのがこの講演の趣旨ということになる。

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鈴木 陸夫(スズキ アツオ)

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