職人志向を脱却し、組織によるデザインへ
岩嵜:なるほど。国内のインハウスデザイン組織のなかでも非常に先進的な印象です。
木村:それについては、私自身がロンドンに赴任していた経験が大きいかもしれません。日本と欧米におけるデザインの最大の違いは「組織的に取り組んでいるかどうか」です。ロンドンでは、2000年代にはデザイナーが個人でデザインに取り組む手法は廃れていて、ディレクターを中心にさまざまな職能のデザイナーが共同して一つのデザインを作り上げていました。「この手法を日本にも早く取り入れなければいけない」という焦りは、かなり以前からありましたね。