KPMGコンサルティングは2026年4月24日、企業のマーケティング施策の最適化を支援する、因果分析ツールによるデジタルマーケティング高度化サービスの提供を開始したと発表した。本サービスは、AI・データサイエンス技術を活用し、企業が自社で保有する顧客データや施策データなどのマーケティングデータを分析することで、マーケティング施策の因果関係や効果をデータドリブンで可視化・最適化することを目的としている。
近年、多くの企業でマーケティングオートメーション(MA)ツールの導入が進み、大量の顧客接点データが収集されている。その一方で、施策の効果検証が表面的な相関分析にとどまり、実際の因果関係まで把握できていないケースが多い。また、顧客行動の複雑化やデータのサイロ化が進んだ結果、何が成果に寄与しているのかの特定や、コストの最適化が困難になるといった課題が顕在化している。
今回のサービスは、KPMGジャパン内のデータ&テクノロジーの中核組織「アドバイザリーライトハウス」と連携し、因果探索(Causal Discovery)と因果推論(Causal Inference)を組み合わせた独自の分析ツールを活用している。これにより、マーケティングデータから因果構造を抽出し、施策と効果の関係性を定量的に評価できる点が特徴である。たとえば、配信したメールマガジンの開封が購買行動にどう影響しているか、顧客属性が購買を左右しているか、アフターフォローがサービス解約率に与える影響など、顧客行動の要因を可視化できる。
サービスの主な支援内容は、以下の通りだ。
- マーケティングデータの因果分析を通じて顧客行動や意思決定の要因を特定
- 因果構造に基づき、最適な施策シナリオの策定を支援
- 効果の限定的な施策を削減し、有効な施策に予算を再配分して投資利益率(ROI)の向上を目指す
技術面では、複数の因果探索アルゴリズムを並列実行し、信頼性の高い因果関係候補を抽出するアンサンブル手法を採用。また、推定された因果グラフをもとに平均因果効果(ATE)の推計も実施している。これにより、従来の手作業や経験に依存する分析では見落とされがちな隠れた要因をデータから導き出す。
同社は本サービスを通じて、データドリブンなマーケティング施策の推進とROIや顧客生涯価値(LTV)の向上を支援していく方針である。
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