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二項対立を超え、未来を構想する

資本主義の課題を克服する「贈与経済2.0」──贈与の評価とポータビリティを担保する仕組みの設計とは?

【第3回】ゲスト:慶應義塾大学 文学部 教授 荒谷大輔氏

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贈与経済2.0は無理な成長に歯止めをかける

樫田:なるほど。贈与経済2.0は、贈与を「価値」として持ち運べる仕組みなんですね。それでは、このアプローチが資本主義の問題をどのように解決するのでしょうか。

荒谷:現状の資本主義では、将来の不安から過剰な生産や貯蓄が生まれがちです。しかし贈与経済2.0があれば、仕事をしてお金を稼ぐ以外にも、人を助けるという行為を通じて、いざというときに助けてくれる人々、あるいはそのネットワークを分散的に得られるようになるのでしょう。贈与経済では自分だけを頼りにして生きるのではなく、互いの贈与の中で生きていくことが期待できます。そこでは何しろ、みな他者に贈与することにインセンティブを持っているので、信頼できる人が困っていればまさに「贈与のチャンス!」と思うわけですから。

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この記事の著者

雨宮 進(アメミヤ ススム)

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