FP&A導入の成否を分けるポイント
2つの部署がFP&Aを担うとなれば、業務の分担だけでなく、連携体制の構築も重要となる。そのポイントを畠山氏に問われた新貝氏は、日々の連携に加え、財務企画・IR担当者の採用活動も共同で行うなど、定期的かつ要所要所でコミュニケーションを取るようにしていると答えた。また、経営戦略部の視点を学ぶため、財務企画・IRのメンバーに同部の経験の一部を経験させたこともあるという。
それを受けて鷲巣氏は、経営戦略部が事業部と財務企画・IR、さらには投資家との橋渡しになっていると評価。日本企業のFP&A導入に向けた大きなヒントになると示唆した上で、「分断は、単純な組織上の問題ではなく、意思の問題だと改めて実感した」と明かした。新貝氏も、「組織を機能させるのは意思。当社では経営戦略部の存在そのものではなく、その立ち居振る舞いこそがキーファクターとなっている」と同意した。