日本企業がアクティビストの対応に苦慮する理由
──なぜ佐藤先生は「経営者は事業家であり投資家でもあるべき」という問題意識を持つようになったのでしょう。きっかけになる出来事はあったのでしょうか。
佐藤:それは私自身のキャリアに関わっています。私は今から30年ほど前に日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に入行して、10年間ほどファイナンスの世界で仕事をしていました。その間、スタンフォード大学で数学や統計学やコンピュータサイエンスに関連する修士を取得したのですが、その際に得た知己がきっかけでマッキンゼーに転職します。