アドビは、「Adobe Acrobat」の生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」の契約インテリジェンスを強化したと発表した。
同機能によりユーザーは、より簡単に契約書などの複雑な文書の内容を理解したり、複数文書の比較したりなどが行えるという。Acrobat AIアシスタントの主な特徴は次のとおり。
- 契約インテリジェンスの強化：Acrobat AIアシスタントが、スキャンされた文書も含め、自動的に契約書を認識したうえで契約の概要を生成。さらに、ワンクリックで重要な条項を抽出し、複雑な文書に特化した質問を推奨
- 回答の引用元を表示：Acrobat AIアシスタントが生成する要約や回答には引用元が表示されるため、回答の正確性を確認して利用可能
- 文書の比較や照合：最大10件の契約書などの文書（スキャン文書も含む）を比較し、バージョン間の違いを迅速に確認したり、内容の整合性を把握したりして、相違点を見つけられる
契約書類などの取り扱いに関する調査結果について
またアドビは、一般消費者1,007人および、中小企業経営者250人を対象に、「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」を実施。同調査は、ビジネスの場や日常生活において頻繁に取り交わされている契約や合意書、および税務関連の複雑な文書の取り扱いにおける課題を探るために実施されたものだという。
一般消費者の半数以上は、「契約書の内容を正確に理解することなく、契約を結んだ経験がある」
契約書の内容を正確に理解せずに、契約書や合意書に署名・同意したことがあるか聞いたところ、全体の52％が「はい」と回答し、約半数が契約の詳細を把握せず、契約を締結した経験があることがわかった。
一般消費者の約7割が、契約書を十分に読まずに署名する理由として「契約書が長すぎる」
契約書を十分に読まずに署名する主な理由を聞いたところ、「長すぎる」が69％で最も多く、次いで「複雑すぎる」が26％、「読みたくない」が4％、「リスクを気にしない」が1％と続いた。
半数以上が「契約書に署名した後で、その内容に驚いた経験がある」と回答
契約書に署名した後、その内容に驚いたことがあるか聞いたところ、55％が「はい」と回答するなど、契約の内容を十分に理解せずに署名したことで、予期せぬ結果を招くといったリスクが潜んでいることが明らかになった。
約8割が、契約の際に「AIの支援を受けることで契約内容の理解に自信が持てる」
AIアシスタントが文書の理解、要約、比較、対比、安全な確認を支援することで、契約内容の理解に自信が持てるようになるか聞いたところ、全体の82％が「はい」と回答した。
中小企業経営者の約半数が、「複雑な税法や規則の理解」「書類の整理」を困難と回答
確定申告などの税の申告準備で最も困難な点を聞いたところ、「複雑な税法や規則の理解」が55％で最多となり、次いで「大量の紙の書類の整理」が48％、「専門家への税務関連書類のまとめ」が36％と続いた。
「税の申告準備にAIを活用したことがある」中小企業経営者はわずか6％
確定申告などの税の申告準備にAIを使用したことがあるか聞いたところ、「はい」と回答したのは6％にとどまった。
確定申告などでのAI使用は「データの正確性やセキュリティ」を半数以上が懸念
税の申告準備のためにAIを使用することに関して、どのような懸念があるか聞いたところ、最も多く挙げられたのが「正確性と信頼性」で62％、次いで「データのセキュリティとプライバシー」が50％、「AIの正しい使い方がわからない」が29％と続いた。
「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」 概要
- 調査方法：インターネット調査
- 実施対象： 1,257人（一般消費者1,007人および、中小企業経営者250人）
- 調査期間：2025年1月6～12日
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