経営企画や経理財務の「キャリア迷子」を救う新たな指針
栗原:最後に、FP&Aというキャリアの将来性について、お二人のご意見をお聞かせください。
池側:会社のメリットはもちろんですが、「個人のメリット」が非常に大きいと感じています。
たとえば、これまで事業部の管理部門には、「数字をまとめるのが得意」などといった理由で配属され、明確な専門性やキャリアパスがないまま「何をすれば評価されるのか」と悩んでいる人が大勢いました。
FP&Aという職種が定義され、USCMAのような学ぶべき「教科書」が明確になったことで、彼らにとって「自分の仕事はこれだったんだ」「これを学べばプロになれる」という明確な指針ができました。これは「キャリア迷子」だった人たちにとって、大きな救いになっています。
石橋:日本の労働市場は、新卒一括採用・終身雇用から、プロフェッショナルが転職でキャリアを築く時代へと確実に移行しています。
FP&Aは、会計・ファイナンスの専門性を持ちながら、事業戦略のど真ん中に入り込んでいく、「真のビジネスパートナー」として非常にエキサイティングな仕事です。企業変革をリードすると同時に、自分自身の市場価値を高めることができる。20代、30代の優秀な方々が、次のキャリアを考えるうえでの、非常に有望な選択肢になることは間違いありません。
栗原:経営企画や経理の枠を超え、事業と経営を繋ぐプロフェッショナルとしてのFP&A。日本企業変革の鍵は、まさにこの人材の育成にかかっていると感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
■前編記事:FP&A導入の最大の目的とは何か──導入を阻む「二つの壁」、本社経営企画が果たすべき「真の役割」とは
