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日東電工 村上氏に聞く、真のグローバルリーダーへの旅路。インドでの挫折から学んだ異文化のチームづくり

ゲスト:日東電工 村上奈穗氏

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 高機能材料をグローバルに展開する日東電工。市場の変化が加速する中、同社では新たなビジネスのエコシステムを創出できる「真のグローバルリーダー」の存在が不可欠となっています。今回は、同社で執行役員を務める村上奈穗氏にインタビュー。シリコンバレーでの衝撃を経て赴任したインドでの過酷な挫折体験から痛感した「CQ(Cultural Intelligence Quotient:文化の知能指数)」の重要性や、多様なメンバーを束ねるチームづくり、現在取り組んでいる次代のリーダー育成について伺いました。聞き手は、アイディール・リーダーズ株式会社 CCOの宮森千嘉子氏です。

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諦めない交渉が信頼を勝ち取る。異文化コミュニケーションの原体験

宮森千嘉子氏(以下、宮森):村上さんはキャリアのスタートから、非常にユニークな歩みをされていますよね。まずは当時のエピソードから伺えますか。

村上奈穗氏(以下、村上):就職氷河期だった2000年に新卒で入社し、広島・尾道の工場で液晶テレビ用フィルムの開発エンジニアとしてキャリアをスタートしました。転機が訪れたのはリーマンショック後です。顧客が国内から台湾、韓国、米国へとグローバルにシフトしていきました。

宮森:初めての異文化との接触ですね。特に印象に残っている出来事はありますか。

村上:まず初めの衝撃は、韓国のお客様のところに行った時に、会議の場に女性が私一人という状況でした。コミュニケーションをとるために、手を変え品を変え何度も通って交渉を続けました。

宮森:心が折れそうな状況でも、なぜそこまで粘り強く向き合えたのでしょうか。

村上:それは、日東電工ならではの「チーム戦」だからです。私が一線を引いてしまえば、後ろで控えている工場やサプライヤーの仲間に申し訳が立ちません。自社だけでなく、複数の協業先と大きなチームを組んで仕事を取るという体制が通常で、そのため強い責任感があり、絶対に引かずに挑み続けました。最終的には「次もあなたの話を聞きたい」と信頼を得ることができ、これは私にとって異文化コミュニケーションの大きな原体験になっています。のちに担当した米国企業とのタフな交渉でも、この粘り強さでお客様の懐に入り込み評価に繋がりました。

日東電工株式会社 執行役員 村上奈穗氏
日東電工株式会社 執行役員 村上奈穗氏

技術よりエコシステム。シリコンバレーで得た視点の転換

宮森:そこからシリコンバレーへ目を向けられたのはなぜですか。

村上:過去、一部の事業が単月赤字に陥った時期があり、2016年に社外研修に参加したことがきっかけです。そこで第四次IT革命の波やスタートアップの熱気、他社の新規事業へのチャレンジを目の当たりにしました。「稼ぎ頭の事業にいる今こそ、次の成長の柱を作らなければ」と危機感を抱き、当時の社長に新規事業の専門部署立ち上げを直訴したのです。その後、国内で小さなPoC(概念実証)など事業の芽は出たものの、スケール化には限界を感じ、主戦場を米国に移すため2022年に自ら赴任しました。

宮森:実際に米国に行かれて、どのような衝撃を受けましたか。

村上:日本と米国とでは発想や事業の進め方が大きく異なると痛感しました。日本のメーカーは技術や製品の品質を高めるアプローチが得意です。しかし米国のスタートアップは、最初に「ビジネスのエコシステムをどう作るか」「社会をどう変えたいのか」という大きなビジョンを描き、そこから逆算して動きます。コツコツ手前から始める日本人と、最初に絵を描いているアメリカ人とでは、歩む道が全く異なるのです。現場でこの差を肌で感じたとき、私たちも「顧客のニーズに答えを出す」という発想から、「自ら課題を設定し問いかける」というアントレプレナーシップの視点をどうしても日東電工に持ち込まなければと強く決意しました。

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変革の壁を越える。アントレプレナーシップの社内浸透

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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