全員が正しい。お互いの強みと弱みを理解しアジャイルなチームづくり
宮森:現在推進されているプロジェクトは、多様なメンバーが集う非常に難易度の高い挑戦だそうですね。
村上:今年度から新たにスタートした、インドにおける成果保証型サービスの創出を目指すプロジェクトです。日東電工のインド、シンガポール、タイ、日本というクロスカルチャーに、外資系パートナーからも多くのインド人が参画しています。日系製造業と外資系パートナーという企業文化の違いがまず大きな壁でした。
宮森:具体的にどのような困難がありましたか。
村上:外資系パートナーの皆さんは戦略やマーケット起点の構想を重視しますが、弊社のメンバーは既存事業との紐づけや泥臭い実行力を重んじる傾向があります。また、私が接しているメンバーでは国民性の違いも顕著で、インド人は自分たちの意見を強く自己主張する一方で、タイ人は促さないとなかなか意見が出ず、シンガポール人はフラットで個人の強みが見えにくいなど、議論のスタンスが様々です。
宮森:そこをどうやってチームの力に変えているのでしょうか。
村上:大前提として「文化や価値観が違うだけで、誰も間違っていない、全員が正しい」と心から受け入れることです。どちらか一方のやり方に迎合するのではなく、お互いの強みと弱みを深く理解し、プロジェクトのフェーズごとにアジャイルに役割分担を変えながら、掛け算で全く新しいチームのスタイルを創り上げています。この多様なメンバーが集うチームだからこそ、新しいイノベーションが起こせると信じて楽しんでいます。

「セカンドペンギン」を育てる。社内インフルエンサーの使命
宮森:最後に、これからの日東電工を担うリーダーたちへ、どのような働きかけをしていきたいですか。
村上:私自身が異文化の最前線に飛び込むファーストペンギンとして経験した挫折や学びをオープンにし、社外の最先端のナレッジを社内に還元していく「インフルエンサー」になりたいと考えています。今、社内ポータルでインドでの泥臭い奮闘記を日記として定期的に発信していますが、社員から「記事を見て勇気をもらえました」と大きな反響をもらっており、確実に思いが繋がっていることを実感しています。
宮森:組織を変えるための具体的なロードマップはありますか。
村上:まずは全社員の0.1%、次世代を担うミドル層を中心とした30人程度の「セカンドペンギン」がマインドを変えれば、そこから組織全体へと確実に波及していくと考えています。ただ、「いきなり海外に出ろ」と無理強いしても難しいので、日々の悩みにしっかりと寄り添いながら、新しい思考の選択肢を提示してあげることが重要です。私たちのプロジェクトで、確実な成功体験と実績を可視化して見せることで、「自分も一歩踏み出してみよう」と自然に思える環境を作りたいです。かつて私が厳しくも温かく背中を押してもらったように、今度は私が「まずはやってみよう」「挑戦してみよう」「一歩踏み出してみよう」と次世代の挑戦を力強く後押しし、日東電工の新しいカルチャーの種を育てていきたいですね。私の好きな日東電工は、ほんの少しのきっかけ(種)で、チーム全体がしなやかに進化しチーム力で壁を突破できるDNAを持っています。



