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新規事業 LEADERS 2026.06

ヤマハ流・新規事業の育て方。「TRANSPOSE」が仕掛ける自前主義からの脱却と出口戦略

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「本業好調」の逆風を耐え抜く。自前主義からの脱却

──制度を長く運営される中で、会社の「熱」はどのような経過をたどってきたのでしょうか。

山本:2015年に第3の柱を作ろうと始まった時は非常に盛り上がりました。しかし、徐々にトーンダウンしていきます。理由は「既存事業の売り上げが非常に伸びたから」です。既存事業の調子が良いのに、あえてビジネスコンテストをやる必要があるのかという空気が、コロナ禍が明ける2022年頃まで社内に流れました。私は2021年頃から事務局にジョインしましたが、2015年当時は大勢いた事務局も、その頃には専任は私一人になっていました。

──本業がうまくいっているときに新規事業が必要かと言われた際、現場としてどう持ち上げるかは非常に重要なテーマです。周りから共感されない中で、山本さんはどうやって熱量を維持されたのですか?

山本:既存事業の調子がいいときは、新規事業に対するトップダウン的な力が弱まってしまいます。それでも社内には次の時代を目指して新規事業に取り組もうとしている熱い人たちがいて、そういう人たちの熱量を大事にして、新規事業を創出するという仕組みをなくさないよう耐え忍びました。ですので、社内にいる「こういうビジネスをやりたい」という少数の味方と一緒に盛り上げていくことを意識して、5年ほど耐え忍んできました。

 また、従来の「自前主義」ではプロトタイプ作成や品質保証に時間がかかり、リリースまで5~6年はかかってしまうという大きな課題がありました。世に出た時にはニーズが変わって売れない状況を変えるため、今年からグローバル募集を開始し、スタートアップのソリューションを活用してスピーディーに進める体制へと制度を成長させています。

出口を確約する「事業部テーマ制」がもたらしたスピード感

──生み出した事業の「出口戦略」についても、色々と工夫をされていると伺っています。解説をお願いします。

山本:2015年から2019年頃にかけて良さそうなアイデアが出たものの、会社として前例がなく、新しい事業部を作れずにリリースできなかった提案がいくつかありました。そこで2020年に制度をマイナーアップデートし、「事業部テーマ制」に変えました。

(再掲)クリックすると拡大します

 事前に事業部とディスカッションをして、彼らが新製品や新サービスをやりたいけれどリソースが割けずに困っているテーマを探します。そのテーマでアイデアを募集し、選考して、最終選考を通過させるのであれば、「絶対に事業部が引き取り、サービスローンチまで面倒を見る」と事前に調整した上でアイデアを募集する形にしました。

──その結果、どのような変化が起きたのでしょうか。

山本:非常に早くサービスがリリースされるようになりました。たとえばゴルフスイング分析アプリの「PLAY SWING」は、提案から2年弱でリリースできました。引き取り手の意思が最初から固まっていたことが大きかったです。さらに、すべての事業部に掛け合って一度はテーマ募集を経験してもらったことで、事業部長レベルのトップ層から「新規事業や製品開発について社員が考える機会は大事だ」と共感を得ることができました。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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