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富士通とファナックらロボット3社がフィジカルAIで協業──NVIDIAフアンCEOが語る日本の可能性

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ロボット大手3社が語る、自律型AIによる現場課題の解決

 会見では、参加したロボット大手3社の代表から、現場の課題解決に向けた具体的なアプローチが語られた。ファナックの代表取締役社長 兼 CEOである山口賢治氏は、深刻化する人手不足や多品種少量生産への対応など、製造現場の自動化に対するニーズがこれまで以上に高まっていると指摘した。同社は、富士通が持つ大規模言語モデル「Takane」をはじめとする生成AI基盤やNVIDIAの技術と、自社が培ってきたロボット技術を組み合わせることで、現場で実際に使える柔軟なAIシステムの実現を目指している。山口氏は「ROS 2やPythonなどのオープンプラットフォーム対応技術を活用し、柔軟で誰にでも使えるAIシステムをタイムリーに現場へ投入する」と述べ、導入しやすい環境づくりを進める方針を示した。

ファナック 代表取締役社長 兼 CEO 山口賢治氏
ファナック 代表取締役社長 兼 CEO 山口賢治氏

 安川電機の副会長執行役員である小川昌寛氏は、同社が2017年から提唱している「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」というメカトロニクスとデータ活用の融合をベースにしたソリューションコンセプトに触れた。AIやGPUの技術が進化する中、同社はNVIDIAのGPUを標準搭載した自律型AIロボット「MOTOMAN NEXT」を市場に投入している。小川氏は「ロボットが事前にプログラムされたことを繰り返す段階から、自ら知恵を持ち自律的に判断して行動する段階へパラダイムシフトが起きている」と強調し、この変革を具現化して社会に貢献するためには、パートナー企業との協調と同調が不可欠であると述べた。

安川電機 副会長執行役員 小川昌寛氏
安川電機 副会長執行役員 小川昌寛氏

 川崎重工業の代表取締役社長執行役員である橋本康彦氏は、産業界全体に加えて、同社が10年以上前から取り組んでいるヘルスケア領域におけるフィジカルAIの可能性を説いた。高齢化が進む日本において、医療や介護の分野は待ったなしの労働力不足に直面している。橋本氏は「富士通の高度なIT技術や電子カルテなどのプラットフォームと、当社のロボットが連携することで、来院から術後ケアまでをつなぐ病院ワンストップソリューションが実現する」と展望を語った。これにより、医薬品や検体の院内搬送、外来患者の案内などをロボットが自動化し、医療現場の負荷軽減に大きく寄与することが見込まれている。

川崎重工業 代表取締役社長執行役員 橋本康彦氏
川崎重工業 代表取締役社長執行役員 橋本康彦氏

 これら3社の取り組みは、従来のロボットが抱えていた技術的な限界を突破するものとして位置づけられている。質疑応答において、AIの導入がロボットの性能をどう変えるのかという問いに対し、従来はプログラミングされた環境下でのみ完璧に動作していたロボットが、多様な環境や未知のタスクに適応できるようになることが最大の価値であると各社は口を揃えた。フィジカルAIによって自律的な判断能力を獲得したロボットは、工場内にとどまらず、小売、物流、さらには病院や家庭といったこれまでロボットが活躍しづらかった空間へと適用範囲を大きく広げていくことになる。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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