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ホラクラシー経営を支える「自然の摂理」と「市場の原理」に逆らわない制度設計

ダイヤモンドメディア 武井浩三氏 × Lean Startup Japan 和波俊久氏 対談第2回

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「定量的なマネジメント」と「コミュニケーション」を実現するため、徹底的にITを活用

和波(Lean Startup Japan LLC 代表社員 プロセスコンサルタント):
 アメーバ経営やABM(activity-based management:活動基準管理)といったシステマチックな管理手法を取り入れることで「管理しない経営」ができるようになってきたということですが、ホラクラシーを実現するには、他にどんなことが必要ですか?

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 組織としての「しくみ」を持ちビジネス活動をしつつ、個々人が自由であるという相反する状態を実現するために、お話したような「定量的なマネジメント」の他に、「コミュニケーションのインフラ」を構築しました。この2つがとにかく重要なんです。

和波:
 「定量的マネジメント」のしくみで見える化した情報をベースに、有効なコミュニケーションを取れるようにしていくということですね。

武井:
 はい。そのためにツールを徹底的に活用しています。リアルタイムにやり取りするようなフロー型のコミュニケーションには「チャットワーク」と「Slack」、ナレッジをためていくストック型のものは「Google ドライブ」などをよく使います。

定量的マネジメント

和波:
 ABMのための各自の行動の記録というのは、どうやっているんでしょう。入力作業を負担に感じませんか?

武井:
 負担はそれほどではないですが、忘れがちですし、忘れないように管理するのも手間なので工夫しています。「チャットワーク」をカスタマイズして「ルーチンマン」というロボットを作ったのですが、それが結構いい仕事をするんですよ。定期的にやらなければいけないタスクを各自にバンバン振り、期日までに終わらせていないと毎日アラートも出してくる。

和波:
 それはいいですね。

武井:
 「チャットワーク」はかなりカスタマイズしていますし、他にもいろいろなサービスを使い込んでいます。例えばサイボウズさんの「kintone」にマネーフォワードさんの「MFクラウド会計」を連動させて、会計データがすべてリアルタイムに見えるようにしたり。自由を手に入れるために必要なプロセスを必ず実行できるように、システムの構築にはかなり力を入れています。

コミュニケーションインフラ

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