導入に必要な3つのマーケティング視点
それでは、サブスクリプションサービスの導入にはどのようなマーケティング視点が求められるのか。安田氏は「1.ユーザーの期待を超えるサービス設計」「2.収益を上げるプライシングモデル」、そして「3.離脱を抑え、繋がり続けるカスタマーサクセス」の3点をあげる。
まず「1.ユーザーの期待を超えるサービス設計」のポイントとしては、顧客の期待値は日々高くなっていることを意識し、成功の指標となる「3ヶ月目」を迎えるためにも次の6点をおさえるべきだという。
1つ目は「新たな価値の提供」として、「製品の所有」にとどまらない顧客の根源的なニーズに応えているかどうか。たとえば服よりも「おしゃれな自分」を求めている場合も多い。そして2つ目は「価格納得性」で自分のライフスタイルや利用方法にあった価格や支払い方法が選べること。当然提供側も収益があるか、コストも含めて見合うものであることが求められる。3つ目に利便性にもつながる「選ばなくていい・自分に合っていること」であり、カスタマイズされたサービスが提案されることが望ましい。4つ目は都度買いに行く面倒な手間が省けるなど「便利で効率的」であること。5つ目は他では手に入らない「プレミア感やオリジナル感がある」こと。そして、6つ目は「新しい発見」として今まで知らなかったと思える体験ができることだ。
それらをすべてまとめて考えるのはなかなか難しいが、安田氏は「サブスクリプションサービスは生活にずっと寄り添っていくサービスであり、顧客の『○○生活を変えられそうか』と発想するとうまくいく可能性がある」とメガネチェーン店のサブスクリプション事例を出しアドバイスした。