なぜ都市と企業は「依存」と「らしさの喪失」に陥るのか──社会人が研究で得る「考える力による差異」とは
ゲスト:埼玉大学経済経営系大学院 教授 朴英元氏、准教授 内田 奈芳美氏
研究は常識を疑い検証する方法を考えるプロセスであり、結果的に得られる「考える力」が差異になる
宇田川:朴先生がおっしゃったように、都市と企業と個人は、通ずるものがありますね。方法論や手法が均質化することによって「らしさ」が損なわれていっている。それに対して研究は、どのように機能すると思いますか?
朴:研究には仮説検証をして、フィードバックをもらうという反復があるのがいいですね。ピーター・F・ドラッカーもフィードバックがあるからこそ、コア・コンピタンスが見つけられると言っています。普通に勉強しているだけではフィードバックは得られない。研究をするからこそ得られるんですよね。そして仮説を立てるときに必要な因果推論の能力があると、卒業してから所属組織に貢献できるだろうと感じます。
内田:私も学生たちに研究がレポートと決定的に違うのは、仮説があることだといつも言っています。常識を「それは本当だろうか」と疑って仮説を立てるんです。
宇田川:そうですね。社会人は常識や通説をいったんカギカッコに入れて距離をとれると、ユニークな研究ができますよね。常識や通説を疑えるのって、研究のメリットですよね。社会人をしていると、会社の中ではなかなか疑えませんから。
内田:怒られちゃいますよね。でも、研究だったら疑える。そして、研究では仮説は間違っていても構わないし、仮説を検証するためにはどうしたらいいかと方法論を考える必要もあって、そこから深い学びにつながります。そのプロセスが大事だし、差異を生み出すのだと思います。そして研究を通じて身についた「考える力」は、企業でイノベーションを生み出すにせよ、地域の再生にせよ、今後の日本では非常に重要になってくるだろうと思いますよ。

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