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カスタマーサクセスの実践知

Sansan山田氏が語る、日本最先端のカスタマーマーケティング──自社の役員も号泣させる成功施策とは

第7回(後編) ゲスト:Sansan株式会社 山田ひさのりさん

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カスタマーマーケティングの“筋の良い施策”とは?

小林泰己氏(ベルフェイス株式会社、以下敬称略):ここからは、カスタマーマーケティングの具体的な取り組みについて教えてください。Sansanさんでは、カスタマーマーケティングのチームが、既存顧客に対してアップセル/クロスセルの商談を生み出すために、以下の3つの役割を負っているという話でしたね。

  • トレーニング&コミュニティ:各種トレーニングセミナーの企画・実施やコミュニティ施策・運営する
  • プロダクトフィードバック:顧客から寄せられた機能改善をプロダクト部門に対して要求する
  • テクノロジー&マーケティング:カスタマーサクセスを円滑に行うために、テクノロジーの基盤を整えたり、情報を整理したり、コンテンツを作って届ける

 この中でも1つ目のトレーニング&コミュニティについて教えてください。「“筋の良い施策”を見つけた」とおっしゃっていましたが、どのような施策なのでしょうか。

山田ひさのり氏(Sansan株式会社、以下敬称略):Sansanでは、オンボーディング後のアダプテーションをより加速するために、トレーニング目的のセミナーをやっています。そこからCSQL(カスタマーサクセスが生み出して営業チームにつなぐ、コンバージョン率の高いリード)が生み出せるのではないかと感じて、やってみたら成功したんです。具体的には、セミナーで新機能を紹介したり、上位のエディションを紹介したりするという方法です。

 特に営業につなげるつもりはなかったのですが、セミナーで質問が挙がったことに対して「上位グレードの機能なのでオプションをご購入いただく必要があるんです」と案内したところ、「むしろ案内してほしい」という反応がありました。それに着想を得て、トレーニングセミナーの最後にオプションや上位グレードの話をした上で、アンケートに「営業から説明が必要であればチェックを入れてください」という項目を入れるようにしました。すると、多くの方からチェックがついたんですよね。

小林:それはもはや営業用のセミナーですね。

山田:あくまでトレーニングが主な目的です。私たちも「積極的に売る」という姿勢ではなく、「興味があったら営業につなぎます」というニュートラルなスタンスを崩さないようにしています。これが最初から商談目的だと、トレーニングの成果も出ないし、商談にもつながらなかったと思います。カスタマーサクセスとして顧客に寄り添ったマインドだったからこそ成立したのではないでしょうか。

小林:それはわかる気がします。カスタマーサクセスは、お客様のためにならないと判断したら無理強いしないですよね。そのスタンスってお客様にも伝わっていると思います。もともとアップセル/クロスセルはどの部門が担当していたのですか?

山田:営業がすべて担当していました。今はカスタマーマーケティングがリードを獲得し、インサードセールスのチームにつなげ、最後は営業のセールス担当に回るという流れもできています。

小林:お客様はSansanの様々な部署の方と関わるのですね。

山田:そうですね。それぞれ専門性の高い人が担当した方が、お客様にとってもメリットがあります。ただ、それぞれの担当者で整合性がとれているようにしなければなりません。

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