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失敗しない新規事業開発の進め方

新規事業開発に挑み続けるための“撤退基準”の定め方──成功に向けた「健全な多産多死」を実現するには

第5回

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「健全な多産多死」を実現する“撤退基準”の定め方

 では、「健全な多産多死」を実現するための「客観性/納得感がある明確な撤退基準」について詳細を解説していきます。大半が失敗や撤退になる新規事業開発において継続的に良質な挑戦を量産していくためには、撤退になった事業を担当していた事業リーダー/責任者やチーム、つまり該当の事業に挑戦していたメンバーが、撤退するという会社の意思決定に対して納得できるようにすることが何よりも大切です。私自身も同様の経験がありますが、特定の上長などの主観的な基準により撤退を余儀なくされるなどして納得感を持つことができない場合、会社に対する不信感が募り、この会社に居ても挑戦を続けることはできないのではないかという絶望が生まれます。そして、次の挑戦に対する意欲が削がれてしまったり、最悪の場合だと独立・転職といった人材流出につながったりするのです。

 一方で、客観的に明示された判断基準に基づいて撤退が検討され、かつ「丁寧な説明や対話」を通じて納得感を醸成することができた場合、撤退すること自体に対する悔しさや喪失感は残るものの、何が不十分だったのか、どうすればより良い事業開発ができたのか、といった前向きな反省や振り返りが生まれ、学びや示唆を得る成長につながります。そして、それを活かした次の挑戦に対する意欲にもつながっていきます。

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この記事の著者

北嶋 貴朗(キタジマ タカアキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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