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事業や技術の社会実装とは

カーボンニュートラルを日本企業に実装する──新たな資本主義の潮流、課題となる四半期決算とR&Dの停滞

第4回ゲスト:株式会社ニューラル CEO 夫馬 賢治氏

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 連載「事業や技術の社会実装とは」は、『未来を実装する――テクノロジーで社会を変革する4つの原則』の著者・馬田 隆明氏(東京大学産学協創推進本部 FoundX ディレクター)をホストに迎え、これからのビジネスパーソンに求められる「社会実装とその方法」を紐解いていく。今回は『超入門カーボンニュートラル』(講談社)の著者・夫馬賢治氏を迎え、気候変動に対する世界の金融や産業界の動向と、日本の企業の進むべき道について聞いた。※本取材はZoomにて実施。

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「脱資本主義」派が多い日本、「ニュー資本主義」に向かう欧米

馬田 隆明氏(東京大学産学協創推進本部 FoundX ディレクター、以下敬称略):夫馬さんの著書の中で、世の中の資本主義観を示した「経済認識の4分類モデル」が印象的でした。カーボンニュートラルの話に入る前に、これからの資本主義に対する夫馬さんの考え方をお聞かせいただけますか。

夫馬 賢治氏(株式会社ニューラルCEO、ニュースサイト「Sustainable Japan」編集長、以下敬称略):これは人々の経済認識を、「環境・社会問題への対応に積極的かどうか」と「その対応が経済的利益になると考えているかどうか」の2軸で分類したものです。

夫馬の経済認識4分類モデル
図版:夫馬の経済認識4分類モデル(出典:夫馬賢治『ESG思考』講談社+α新書を参照し、作図)

 日本では最近まで左下の「オールド資本主義」が主流でした。環境や社会への考慮は利益を阻むものだから、コンプライアンスに違反しない程度にほどほどにやろう、という考えが強かった。

 ヨーロッパとアメリカでは10年くらい前から、もっと長い目で世の中を見てみようという考えに変わってきました。「メガトレンド」に注目し、今までのやり方では利益を出せなくなり事業を続けていけないと認識されます。気候変動などの社会課題を先取りした事業のトランスフォーメーションをしていけば利益を増やせるし、市場そのものがサステナブルになることで自分たちは生き残っていける。そのような考え方に変わっていきました。これが右上の「ニュー資本主義」です。

 資本主義の担い手である企業は、この右上の領域にどんどんシフトしていっています。でも、そういう考え方をしない人もまだ一定数いて、そういう方が左上の「脱資本主義」を主張しているのだと思われます。この考え方のベースは、環境・社会問題への対応と利益とは相容れないものだというものです。なので、企業が利益を追求するという資本主義的な行動を貫けば環境と社会は破壊され続けてしまうと考え、利益を捨ててでも環境・社会のことをやりなさい、という発言をされるのだと思うのです。

 私の会社では、日本の企業に情報提供すべく海外の動きを見ていますが、ここまで「脱資本主義派」が多い国は日本以外に見たことがありません。それくらい、世界では「ニュー資本主義」に向かっています。

馬田:日本と海外の違いが生まれる根本的な理由は、何でしょうか。

夫馬:株主・資本家が企業を突き動かし、この流れを作っているという事実を知っているのかどうかが大きいと思います。

 ところが日本は、投資家がニュー資本主義にシフトしているということを2018年頃まであまり認識していませんでした。今でも少数派ですから、オールド資本主義を抜けるには脱資本主義しかないという、図の左側の領域だけで考えがちなのかなと思っています。

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