SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineセミナーレポート

富士通 福田譲氏が「フジトラ」で実践する、DX最大の障壁を突破する「ヒト・組織・カルチャー」の変革

Biz/Zine Day 2022 SummerレポートVol.2

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 DXが思うように進まず、悩んでいる企業は多い。そして、DXを阻む最大の要因の一つは「カルチャー」であるといわれている。では、どのように対策やカルチャーの見直しを行えばよいのだろうか。2022年7月13日に開催された「Biz/Zine Day 2022 Summer」の基調講演で、富士通株式会社 Executive Vice President CIO 兼 CDXO補佐の福田譲氏が、富士通が実践する社内DXプロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」での取り組みを紹介しながら、「ヒト、組織、カルチャー」の変革の道筋を語った。

  • Facebook
  • X
  • Pocket

カルチャー変革の第一歩「自社のパーパスと社員のパーパスの接続」

 講演の冒頭、「一説によれば、企業におけるDXプロジェクトの成功率はわずか16%。2021年4月23日のForbs Japan誌には、DXが実現できない最大の要因はカルチャーにあり、特に次の点について留意すべきだとあります。それは、『①利益からパーパスへ』『②階層から繋がりへ』『③管理から能力開花へ』『④計画から実験へ』『⑤機密から透明へ』の5点です。私はこれらに共感し、富士通が取り組んでいるDXプロジェクトFujitsu Transformation、略して『フジトラ』の推進においても強く意識しています」と、福田譲氏(以下、福田氏)は語る。

 経済産業省がDXを「ビジネス環境の変化に対応し、デジタル技術を活用してサービスやビジネスモデルを変革するとともに、業務、組織、企業文化、風土を変革し、競争の優位性を確立すること」としている通り、DXの要諦は「競争上の優位性を確立すること」にある。変革の対象になるのは、製品やサービス、ビジネスモデルから、業務プロセスや組織、企業文化まで多岐にわたる。

 フジトラは2020年10月に始まった。当時創業85年目だった富士通は、まずパーパスを再定義した。それが「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」である。しかし立派なパーパスを掲げても、現場の社員は自分の日常業務とパーパスの繋がりを実感しにくい。

 そこで社内のデザイナーとともに、対話を通じて各個人のパーパスを掘り当て、言葉にする「パーパス・カービング」という取り組みを始めた。「自分はなぜこの会社で働いているのか」「自分は仕事を通じて何を成し遂げたいのか」など、個々が自身の働く動機や価値観・内面に向き合うのだという。これを同社のCEOである時田隆仁氏など経営トップから実践し、タスキリレー型でグループ全体、13万人の社員に展開している。

[画像クリックで拡大表示]

 社員は「富士通で働きたい」と思い入社しているため、個々人のパーパスと富士通の企業としてのパーパスを見比べると、多かれ少なかれ重なりが見えてくるケースが多い。その結果、「自分はどういったことをやりたいと思い、富士通に入社したのか」「なぜITの仕事を選んだのか」などを改めて自覚し、社員一人ひとりの仕事に対する覚悟が芽生えることが多いという。その覚悟が改革のエンジンになっていくと、福田氏は説明する。

「一人ひとりのパーパスは少しずつ異なりますが、富士通の一員として見ている方向性は同じです。よって、個々のパーパスと覚悟が束となって、変革の推進力になっていくはずです」(福田氏)

[画像クリックで拡大表示]

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
全社員のデジタル人材化を目指す「exPractice」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
Biz/Zineセミナーレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング