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ニューノーマルのミドルマネジメント

日本マイクロソフトでマネジメントを身につけた澤円氏に訊く、これからの時代の「ミドルマネージャー」

第7回 ゲスト:株式会社圓窓 澤円氏

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 様々な企業が新規事業を求める中、新型コロナウイルスの流行によって就労形態も変わってきています。こういった状況の中、ミドルマネージャーは何を求められているのでしょうか。本連載では、Coupa株式会社 代表取締役社長/ジャパン・クラウド・コンサルティング アドバイザーの小関貴志氏が対談ホストとなり、グローバル企業のリーダーたちや、新しいマネジメントアプローチを提言する方々との対談を通じて、ミドルマネジメントの“型”を探っていきます。今回のゲストは株式会社圓窓の代表取締役である澤円氏。生命保険のIT子会社を経て、日本マイクロソフト株式会社に入社。プレーヤーとして最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担った後は、マネジメントに職掌を転換し、社内外のピープルマネジメントを経験されてきました。ミドルマネージャーへのメンタリング経験も豊富な澤氏に、自身のキャリアやマネジメント観について聞きました。

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主体的な自己投資でキャリアを築く

小関貴志氏(以下、小関):澤さんは、1997年に日本マイクロソフトに入社され、テクノロジーセンターのセンター長に9年間従事するなど、直属の部下のマネジメントだけではなく、多くの社内外の人たちのメンタリングを手掛けられてきました。

 現在は自身の法人の代表を務めながら、大学やセミナーでの講師業や、メディアへのご出演の他、企業の顧問やNPOのメンターを行うなど、幅広く活躍されています。まずは、マネージャーに至るまでのご自身のキャリアについてお聞かせください。

澤円氏(以下、澤):当時としては珍しい文系出身のプログラマーとして、1993年に生命保険のIT子会社に新卒入社したのが、キャリアのスタートです。“就社”ではなく、“就職”したかったため、エンジニアの道に進みました。

 エンジニアを選んだ背景には、映画「007」シリーズのサブキャラクターである“Q”のようなポジションに憧れていたことがあります。主人公であるボンドを武器開発の面から支えるエンジニアですが、彼がいなければ情報機関の仕事は成り立ちません。また、大学の一般教養として受講した授業で、先生が難しい言葉を一切使わず、コンピュータの仕組みをわかりやすく説明してくれたことで、今でいうITの世界に興味を持ったことも背景にあります。学生時代、趣味を通して出会った大人の中で、会社名ではなく職種名で自己紹介した人がかっこよく感じたことも、エンジニアを志したきっかけです。

小関:そこが「“就社”ではなく“就職”」とおっしゃった理由ですね。

:そうです。ただ、実際にITの世界に入ってみると、まったく歯が立ちませんでした。その後社会人になって3年目の1995年、インターネットの時代の到来が転機となりました。これは全世界が同時にリセットされたタイミングの一つで、全員がインターネットの“初心者”として横並びになったのです。

 これを好機と捉えた私は、すぐに当時非常に高価だったパソコンをローンで購入し、自宅でひたすらネットサーフィンをするようになりました。

 当時ネットサーフィンしていたことは、今でいうリスキリングやリカレントにもあたるものだと思います。それらは会社の意向のもとに会社のお金でやるのではなく、主体的に自己投資としてやってこそ意味があるものではないでしょうか。

 私自身、携帯電話を早い段階から入手したり、様々な最新ガジェットを買い漁ってみたりしながら、自分でキャリアを築いていきました。加えて、ほとんどの人が内勤オンリーという会社の中で外出もできる職務に就いていたため、社外のカンファレンスやコミュニティに顔を出すことができ、ITの知見をさらに増やすことができました。

 あるコミュニティでエージェントに声をかけてもらったのを機に、1997年にITコンサルタントとして日本マイクロソフトに転職しました。競合他社のグループウェア製品だった「Lotus Notes」を研究していたため、その知識をもとにユーザーをコンサルティングするポジションに就くことができたのです。

 その後2006年には、ビル・ゲイツの名を冠した「Chairman’s Award」を受賞します。プレーヤーとしてのピークを実感する成功体験を得たからこそ、マネージャーへと完全にキャリアチェンジする決意ができました。

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この記事の著者

皆本 類(ミナモト ルイ)

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