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新規事業部門は「CEO養成所」。ヤマハ発動機×グロービスが取り組む、共創時代のリーダー育成

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起業家に学ぶ「オーナーシップ」と意思決定の重み

梶川:スタートアップ企業の経営者を招いたセッションも複数回あるそうですね。そこでの狙いは何でしょうか。

木村:大企業の従業員として事業を担当している人と、スタートアップの起業家とでは、オーナーシップのレベルに圧倒的な乖離があります。自分のお金と人生を懸けている起業家のコミットメント、どのレベルで先を考え、時間をどう創出しているかといった日々の熱量や意識の差に気づいてもらうことが大きな目的です。経営人材になるためには、このオーナーシップのレベルを高めなければなりません。

池田:具体的には、第2期ではNishikaの山下達朗様、CNCの矢田明子様に講演を行っていただきます。その中で、ビジネスに対して圧倒的な当事者意識と熱量を持って取り組むとはどういうことなのかを学び、自分たちに引き寄せて議論し、今後取るべき行動や判断軸を固めていきます。

木村:既存事業と新規事業で一番違うのは「意思決定の場数」です。新規事業のCEOは、事業の立ち上げから組織構築、資金管理、キャッシュが尽きれば自ら従業員を解雇しなければならないような、厳しくヒリヒリする意思決定の局面も起こり得ます。実際にそのような場面を乗り越えてきたスタートアップの起業家の話を聞き、それを自分に置き換えて疑似体験する。その体験を通じて、事業を牽引する経営人材として必要な覚悟と視座の高さを養ってほしいと考えています。大企業という比較的ローリスクな環境にいるからこそ、本来事業を立ち上げるのに必要なエネルギーを起業家から直接吸収する場が不可欠なのです。

研修を超えるコミュニティへ。異業種交流が生み出すエコシステム

梶川:昨年終えた第1期からは、参加企業間で具体的な変化や成果、新たな協業の動きなどは生まれているのでしょうか。

木村:このプログラムは、午前中にグロービスの講師が講義を行い、午後には各社がNDAを結んだ上でリアルな事業の悩みを共有し、参加者全員でホワイトボードを使って解決策を議論するのですが、そこから協業の萌芽が生まれています。たとえば、アフリカにおける「住所のない人へのデリバリー事業」の話題で大いに盛り上がり、物流ノウハウを持つ企業様とヤマハ発動機の間で、一緒に壁打ちセッションをやろうという話が自然発生しました。

池田:私が把握しているだけでも、会社の垣根を超えてこういう事業を一緒に考えようという動きが既に4件ほど起きています。互いの進捗共有や意見交換のための面談依頼といったやり取りが日常的に発生しています。

木村:本プログラムを短期的な投資目線で捉えると、英語の研修後にTOEICの点数が上がるといったわかりやすい投資対効果は見えにくいかもしれません。しかし、私たちは「いつでも頼れる質の高い関係性」と「視座を高めること」に投資しています。今後は、ヤマハ発動機の参加割合を減らしてでも、さらに多様性を高めていきたいです。この場が広く認知され、日本企業の新規事業を牽引するリーダーたちが常に集う、継続的なエコシステムやコミュニティへと発展させていくことが私たちの理想です。

梶川:個社では成し得ない「共創」の時代だからこそ、企業の垣根を越えて高い視座と覚悟を共有できるエコシステムの存在が、日本の新規事業を前進させていくのですね。本日は大変貴重なお話をありがとうございました。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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