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経営企画サバイバルガイド

経営企画の仕事が楽しくなる進化の方法──単なる集計屋を抜け出し、経営陣と同じ景色を見る面白さとは?

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「それなら自分で考えれば?」と経営陣に言いたくなったとき、見直したい3つのこと

 とはいえ、経営陣とのやりとりも一筋縄にはいきません。経営陣も自分とは別の人間ですから、懸命につくった資料や練り上げた施策が、採用されるとは限らないのです。そんなときは、「何のために自分がいるんだ。それなら最初から自分で考えればいいのに」と毒づきたくもなるでしょう。私も同じような経験を山ほどしてきたので、その気持ちはよくわかります。

 ただ、ひとしきり毒づいた後、自分の考え方や伝え方に変えられるところはなかったか、振り返ることができれば、経営企画としてあと一歩成長できます。まず見直したいのは、次の3点です。

画像を説明するテキストなくても可
資料提供:ディグル株式会社

1:事実と意見を分けて話す

Before:この事業は成長が鈍化しているので、投資を抑えたほうがいいと思います。

After:(事実)受注額が予算を10%下回っています。詳しく見ると、商談数は計画どおりですが、受注率が5ポイント低下しています。(意見)私は、商品への需要が落ちたというより、商談での提案プロセスに課題があると考えています。そのため、まずは失注要因を調べるべきです。

2:仮説を持って議論する

Before:消耗品費が予算を1,500万円上回っています。どう対応しましょうか。

After:消耗品費が予算を1,500万円上回っています。しかし、これまでにも翌月に解消されることがあったため、実際の費用増ではなく、集計方法の誤りか、集計タイミングのずれが原因ではないかと考えています。まずは内容と集計方法について確認したいです。

3:会社全体で考える

Before:工場の費用100を、A〜Dの4事業に25ずつ配賦していました。C・D事業の撤退後、A事業の負担が50に増えて採算が悪化したため、A事業も撤退すべきです。

After:A事業の採算が悪く見えるのは、売上や直接費が悪化したわけではなく、工場費の配賦比率の増加のためです。工場費用の全体額が減らないままA事業も撤退すれば、今度はB事業が全額を負担することになり、撤退の連鎖が起こりかねません。A事業だけの採算ではなく、撤退によって会社全体の利益がどう変わるかまで見て判断すべきです。

 こうした工夫をしても、自分の案が採用されないことはあります。そのときは、「なぜこの案は採用されなかったのか」「なぜその意思決定に至ったのか」を根気強く経営陣に尋ねるしかありません。経営陣の“外部脳”であるからこそ、その思考や判断基準への理解を深めることは、仕事の一環なのです。

「何を決めるため?」という問いが、“作業屋”を抜け出す第一歩

 いろいろ書いてきましたが、結局伝えたいのは、「経営企画は単なる“作業屋”ではなく、経営を支える参謀だ」ということです。すべての業務が同じくらい重要に見えれば、常に全力投球するしかありません。しかし、経営企画の役割を「経営の意思決定を支えること」と捉え直せば、時間をかけなくてよい業務が見えてきます。

 精度を上げても結論が変わらない予測を細部までつくり込む。使われるかわからないデータを念のため集める。資料の体裁や言い回しを美しく整える。そういった業務は必要な範囲にとどめ、浮いた時間を、事業の仕組みや会社の進む方向を考える創造的な仕事に使いましょう。私のように、「自分にはこの業務しかない」と思い込んで、仕事の幅を狭める必要はありません。

 そのために明日からできることは一つです。いつもの数字を集計するとき、資料をつくるとき、一度立ち止まって「これは、何を決めるための仕事なのか」を考えてみてください。この問いを持つことが、「数字をつくる人」から、「数字を通じて会社を動かす人」へ踏み出す第一歩になるはずです。

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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