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Design Ethos 生活文化力という資質

「デザインシンカー」が増える社会で、「デザイナー」に求められる役割とは?

Design Ethos 生活文化力という資質:第5回(最終回)

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「自分を出すこと」のハードルを下げることが、高いクリエイティビティを生み出す土壌になる

 「感性への自負」とは、自分の感性や価値観に自信をもって発言したり、それらを基準に消費活動をしたりすることである。商品を置き去りにしたような芸能人起用の広告とか人為的に作られたブームに影響されている消費者の一人としてではなく、一人の感性豊かな人として人や社会と接することである。

 ロンドンに比べると東京は同質性が高い。髪や肌の色や身長といったハード面もそうだし、言語や教育や生活習慣といったソフトな面でも、極端な違いを感じることは少ない。同質性が高い場所だと「自分を出すこと」が異常に目立つ。ちょっとマイナーで癖のあるミュージシャンのコンサートに行くと「音楽好き」となるし、同様に、健康志向、イクメン、アーティといったレッテルも準備されている。比べて、全く違う人間が集まった社会だと、他人が自分と違うことが気にならないし、ましてやマイノリティーに仕分けする必要も生まれない。こうした背景も影響するので難しさに差はあるが、今後のクリエイティブ産業では多様な価値観をスマートにぶつけあう事が大前提として求められるので、自然に「自分を出す事」が今後のクリエイティブには不可欠である。

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この記事の著者

池田 武央(イケダ タケヒロ)

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