ユーザー不在の会議室では、生活者のインサイトを見つけることは不可能
荻野:Blabo!は、オンライン・コミュニティ上で直接生活者のインサイトを発見するという、新しい手法を確立しました。坂田さんはユニリーバ時代に既存の調査手法でインサイトを捉えようとしていますよね。それがうまく機能しなかった理由はなぜでしょう。
坂田:まず、“インサイトを作ろうとしている人たち”が多いですね。インサイトは作るのではなく、発見するものです。夏目漱石の『夢十夜』という作品に、運慶はのみで木を掘って仏像を作るのではなく、もともと木の中に埋まっているのを掘り出すのだというエピソードがあります。生活者のインサイトも同じで、存在しているけれどうまく表に出ていないものを、発見してあげることが大切なんです。