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適材適所のための“サイコロジーテック”

人材の性格とニーズを“4つの段階”で分析する──能力の発揮に寄与する“サイコロジーテック”とは?

第1回

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成人発達段階で“4つのカテゴリー”に分類する

 私が提供している「性格ナビ」では、93問の質問によって、人間の性格傾向を分析しています。成人発達理論、TA(Transactional Analysis)、タイプ論など、理論を複合的に活用することで、様々な角度から人物像を捉えることができるようにしています。

 この中でも注力しているのが「成人発達段階」の測定です。成人発達段階とは、人間の精神的な成熟の度合いをカテゴライズする理論で、海外の大学などで特に研究されています。最近になって、日本国内でも複数の企業で研究されるようになったテーマでもあります。

※「成人発達段階」の理論は成人に対して適応する発達モデルであって、概ね20歳以上の方が対象です。また、病気を判定するものでもありません。

 性格ナビでは、成人発達段階の各段階を以下の4つにカテゴライズしています。

  • 競争型
  • 所属型
  • 自己探究型
  • 使命遂行型

 人はどこか1つの段階にとどまらず、変化していきます。また、どこかの段階のみに当てはまるのではなく、複数の段階の特徴を持っている場合もあります。性格ナビでは、4つのカテゴリーそれぞれの比率を算出することで、どの段階にいるかを可視化できるようにしています。

 それではそれぞれを詳しくみていきましょう。

競争型

 親から独立して自分で仕事をし、自分で生活を回し、自分の生活を確立することを目標とします。他者と競争し、最高の成績、最高の仕事を欲し、より稼ぎ、より成功して相手に勝ちたいと考えます。ストレス、プレッシャー、不安を感じる時期で、何かを満たそうと人生の中で最も生産性が強調される時期です。

所属型

 組織やコミュニティなど社会での自分の居場所を見つけることを目標とします。社会的に認められたいという気持ちが芽生え、自分はどのコミュニティに属し、どのような人たちに囲まれていることで居心地が良くなるのかということに意識が向きます。

自己探究型

 ある程度社会の中での居場所を見つけると、「自分とは何者なのか」「人生にはどういう意味があるのか」という意識を持ち始めます。肩書きではなく、個人としてのアイデンティティを探求し始めます。今までの人生で自分がどんな人間になったのか、社交的な時間が減り、自分の人生を振り返る個人的な時間が増えます。

使命遂行型

 自己を探求したあとは、その上で、自分の使命や、今までの経験をもとに社会にどんな貢献ができるか、ということに関心が向けられます。長年かけて自分を理解し、自分は何をするべきか、人生の目的のために生きる状態になります。

 先ほども説明しましたが、1つの段階にとどまるものではなく、変化していくものです。ただし、1つの段階を経過するのに何年もかかることはあります。また、これらの段階には、実年齢との関係性もあると考えています。競争型は20代、所属型は30代前半、自己探究型は30代後半、使命遂行型は45歳前後に多い傾向にあると感じています。

 段階ごとに特徴的な“ニーズ”があります。キャリアを考える方は自分がどの段階にいるかを知り、自分のニーズを知ることが重要となります。また、組織作りや採用においては、人材ごとの適したポストを検討する指針にすることができるのです。

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この記事の著者

佐藤 由紀子(サトウ ユキコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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