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デンマーク流に学ぶ、創造性を育む「戦略的参加型デザイン」

安岡 美佳 氏:「小さくても強い国のイノベーション力」シンポジウム・レポート

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1人あたりのGDPは日本以上:小国デンマークの実力

 北欧の小国、デンマーク。子育てがしやすい、女性の社会進出が進んでいるというイメージの強いこの国がいま、イノベーション分野でも注目されている。

 その国土面積は九州ほど。人口は約560万人。GDPも日本に比べれば小さいが、1人あたりのGDPは日本のそれを上回る(※)。またデンマークには大きな企業は少ないものの、おもちゃメーカーのLEGO、コンテナ船のMaersk、ビールのカールスバーグなど、特定の分野で世界的なマーケットシェアを占める企業が存在する。
※1人あたりのGDPは、デンマークが58,930ドル、日本は38,492ドル(2013年)。

 「デンマークの強さの秘密は、北欧文化の独自性、北欧の社会構造といった視点から、これまでにも分析されてきました」と語るのは、デンマーク工科大学アシスタントプロフェッサーを務める安岡美佳さん。彼女はデンマークに住み始めて、今年で10年になるという。

北欧文化の視点で言うと、たとえば小さな国であるから身動きがとりやすい、長い冬の間は家にいないといけないので集中しやすい、また個人主義や透明性の高い国民性が有利に働いているとも言われています。

社会構造の視点では労働政策の成功、つまり雇用・解雇がしやすい柔軟な労働市場、手厚い失業手当や職業訓練システムといったセーフティネットが、デンマークの強さの理由だと考えられています。

 それに加えて、小国の危機意識から生まれた“戦略的な問題解決手法”がデンマークの強さに関係している、と安岡さんは続ける。「私はそれを、『戦略的な参加型デザイン』と呼んでいます」

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