試行錯誤の成果としてのイノベーション・マネジメント
イノベーションを促進するためには、適切な環境と組織文化の整備が不可欠だという議論も各テーブルで展開された。ある企業では、突然現れるスター社員がイノベーションの軸となることがある一方、他の多くの社員は保守的で、新しいアイデアを評価しにくいという。まずは、そうした文化を変えるために、外部でアイデアが評価される体験を社員に積んでもらい、社員が自らのアイデアの価値を認識できる環境を整えていると共有された。
別の企業では、月に一度、新規事業の提案を自由に持ち込む会議が開かれており、社長、システム担当役員、担当者の3名で即座に予算を決定できる体制が整備されている。たとえその場での採用に至らなくても、調査費用が提供されるなど、挑戦を奨励する文化が根付いているという。