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データ活用のその先へ――電通クロスブレイン新社長小野洸一氏が語る、事業創造を見据えた伴走支援の進化

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新しいものの見方・捉え方をデータで示す

MZ:従来のロジカルシンキングや課題解決型のアプローチとは、どう異なるのでしょうか。小野さんが重視されている「新しいものの見方」について、具体的に教えてください。

小野:問題解決といったことばかりを探求していくと、得てして我々のようなクライアント企業様の業界に向き合って知見を溜めている企業は、何かしらの指摘はできるという構造でお仕事をすることになりがちです。完璧な状態でビジネスが推進されているということは弊社も含めてありませんので。その意味においては、お仕事をご一緒する方の意志やクライアント企業様で共有されるビジョンに立脚して機会を探りに行く議論をしていく必要があると思っています。そのときにはクライアント企業様に対し、新しいものの見方、捉え方を示すことは意識しています。

小野氏の写真です

 たとえば、私は40歳にもなりましたので、お寿司を食べるならたまにはカウンター寿司にも行きたいと感じます。ですが、まだ小さい双子がいる、かつ、フードデリバリーサービスも使えない郊外に住んでいますので、家族でお寿司を食べるとしたら回転寿司です。私自身の欲求ではなく「小さい子供がいる」という今のシチュエーション(状況)が行動原理になっているわけで、大変回転寿司にはお世話になってますし、頭が上がりません笑。このような、「単なる性年代といった属性ではなくシチュエーション(状況)に依存する」という捉え方を持ってお客様一人ひとりと向き合うことが、非常に重要ではないかという議論をさせてもらっています。

 ものの捉え方が変わることで、データの見方も変わるので、もちろん考察も変わりますし示唆も変わってきます。新しいものの捉え方を持つことはクライアント企業様にとってもインパクトがある議論になります。一方で、新しいことを取り入れるといった時にはお互いにわからないものをわからないままにせぬよう、分析スキルだけでなく解釈や疑問を言葉にして実際に聞いてみるようなコミュニケーションスキルといったソフトスキルも鍛えていくことが我々にも求められると思っています。

MZ:「How」の議論に終始するよりも、「Why」を問い直すことが重要になるということでしょうか。

小野:はい。今の時代に、これまでのようにブランド様の価値をロックした状態でHowだけを考えてしまうとできることが限られます。そうではなく、改めて自分たちが持つ魅力に向き合い直す。どこにクライアント企業様のお客様が買い続けたり使い続けたりする理由を見出しているのか、どこに、より再現性ある機会があるのか。データサイエンスは、そういった部分にこそ価値が出せると信じています。事実をいち早く発見するだけではなく、クリエイティブな人と協業することで創発する機能としてデータを使っていくことも重要です。そこにはこだわっていきたいと思います。

挑戦的な議論を仕掛けていく存在として

MZ:今うかがったビジョンを実現するために、どのような取り組みをしていくのでしょうか。

小野:プロジェクトにおいては、必ず私たちなりのシナリオを持って対話し、クライアント企業様だけでは出てこなかったであろう議論を誘発することにこだわる。そのマインドを大事にしていきたいです。データから堅実なことだけを言うのではなく、方向づけを持ってデータを見にいくことで、少し我々にとっても挑戦的な議論をしていきながらご一緒していくということです。

 自社のこれまでの取り組みと、これからの議論では少し違うところにゴールがあるのだという感覚をクライアント企業様に持っていただく。そして「成功事例」や「正攻法」の定義も問い直して社内で広げて、新たな領域に飛び込んでいく人をロールモデルとしていくなどもしていけるといいと思っています。

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電通クロスブレインは「変わる必要があるかどうか」を隣で共に考える

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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