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企業価値向上のためのFP&A

メディアスHDが挑む、FP&A組織によるグループ経営管理──M&A成長後に伸び悩む、利益率への処方箋

ゲスト:メディアスホールディングス株式会社 芥川浩之氏、山本太郎氏

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M&Aによる急成長の裏で「利益の質」を問い直す

池側:先ほどお話しいただいたように、メディアスホールディングスは、M&Aを軸に非常にダイナミックな成長を遂げられています。まずは、芥川さんと山本さんのこれまでの歩みと、現在の役割についてお聞かせください。

芥川:私は現在、コーポレート統括本部長として経理、経営企画、人事、ITといったコーポレート全般を統括しています。キャリアの大部分は管理本部で過ごしてきましたが、過去に2度のIPOを経験した際、部門の枠を超えて「会社を形にする」実務を網羅的に経験しました。

 当社は持株会社発足から大きく成長しましたが、売上高が増加した一方で、人件費を中心に販管費も増加したため、利益が追いついていないという課題がありました。企業価値を向上させるためには、現場の数字の中身を深く理解し、資本コストを上回る収益力を実現するための意思決定支援機能が必要だと痛感し、FP&A組織の構築に踏み切りました。

山本太郎氏(以下、山本):私は2013年に新卒で入社し、最初は事業会社の営業職からスタートしました。その後、2019年に経営企画部へ異動し、現在は2026年1月に新設されたFP&A部の部長代理を務めています。営業現場で培った「ビジネスの肌感覚」と、経営企画で得た知識の両輪を活かし、全社戦略をいかに現場のアクションに落とし込むか、そのための分析や戦略検討の支援を行っています。

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メディアスホールディングス株式会社 コーポレート統括本部 ファイナンス本部 FP&A部 部長代理 山本太郎氏

卸売業の「板挟み」を打破する、診療科ごとの深掘り分析

池側:医療機器の卸売というビジネスモデルにおいて、現在どのような課題を感じていらっしゃいますか。

芥川:我々が扱うのは、注射器から手術室で使う高度な機器まで多岐にわたります。昨今の医療機関の経営は厳しく、設備投資が抑制される傾向にあります。また、償還価格は下落傾向が続いています。メーカーからは原価上昇による値上げ要請があり、病院からはコスト削減を求められる──まさに「板挟み」の状態です。もはや「たくさん売れば利益が出る」という感覚だけでは立ち行かなくなりました。そこで、「どの製品、どの診療科が本当に利益を生んでいるのか」を精緻に把握する必要が出てきたのです。

池側:具体的に、どのような単位で分析を開始されたのでしょうか。

芥川:最初は「アルバース社」という、循環器系を専門とする事業会社をモデルケースに選びました。エリア別の分析だけでは不十分で、特定分野における「予実管理プロセスの標準化」と「ベストプラクティスの共有」が必要でした。診療科で区切り、分析手法を統一することで、どこに採算性の鍵があるかを可視化することから始めました。

池側:アルバース社のFP&A組織のユニークな点は、現場のメンバーが「兼務」で参加してFP&Aチームを作っている点ですね。

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資料提供:メディアスホールディングス株式会社/クリックすると拡大します

芥川:はい。兼務には大きなメリットがあります。たとえば、拠点で管理業務を担当しているメンバーは、現場の一次情報を熟知しています。そこにFP&Aの視点が加わると、「あの営業の人は1日かけて遠方まで行ったのだから、利益はいくら出すべきだ」といった、非常に具体的で鋭い分析が生まれるのです。

山本:教育は「社内リソース」にこだわっています。事業活動と財務3表の紐づけといった「ファイナンス理解」のほか、社内のデータ分析専門チームがPower BIなどのツールの使い方を指導し、実務への活用可能性を高めることを目指しています。何より効果があったのは、アルバース社の社長自らが登壇し、自社のビジネスモデルや戦略を3時間にわたって熱く語る「ビジネス理解研修」です。これにより、メンバーは「自分たちがなぜこの活動をするのか」という目的を、社長の熱量とともに腹落ちさせることができました。

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営業利益の源泉は「人」。生産性のばらつきを可視化するには

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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