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企業価値向上のためのFP&A

事業モデル変革と営業利益1,000億円へのFP&Aの伴走──なぜNSSOLは本社財務部へ集約したのか

ゲスト:日鉄ソリューションズ株式会社 三宅秀樹氏、矢野晋也氏

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トップダウンでの業務標準化を担う「収益管理室」が本格始動

池側:2025年4月に組織を統合した後、同年8月に「FP&Aタスクフォース」を立ち上げ、そして2026年4月には人事ラインも含めて正式に「収益管理室」へと本格統合されました。この組織化のプロセスと現在の進捗をお聞かせください。

三宅:2025年4月の統合当初、事業部ごとの「やり方のバラバラさ」という課題が残ったままになることは承知の上で、各事業部に散らばっていたメンバーの籍を財務部に集めることを優先して行いました。その後、情報の横展開とレベル向上を図る勉強会的な位置づけとして、8月に矢野さんを中心とした19名のタスクフォースを結成させました。

 しかし、ビジョン達成のスピードを上げるには、ボトムアップで緩やかに変化するのを待つ猶予はありません。そこで2026年4月に、矢野さんが4つの大規模な事業部門(産業、金融、流通、デジタルソリューションコンサルティングなど)のFP&Aメンバーを直属の部下として統括する「収益管理室」へと完全移行しました。

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資料提供:日鉄ソリューションズ株式会社/クリックすると拡大します

 当社は現在、購買(FieldGlass)やERP(SAP S/4HANA)を含む大規模な「社内システム刷新プロジェクト」を推進中ですが、「各事業部のバラバラなローカルルールを残して最新システムに移行するつもりはない」と全社に宣言しています。経営陣を巻き込んだトップダウンのリーダーシップにより、業務プロセスの標準化と共通化を今まさに徹底的に進めています。

「集計屋」から経営を動かす「参謀」への脱皮

池側:レポートラインが一本化され、業務の標準化が進んだことで、FP&A組織が目指す本来の「ビジネスパートナー(BP)機能」の強化に集中できる環境が整いましたね。具体的に現場ではどのような変化や挑戦が始まっていますか。

矢野:収益管理室として今、最も注力しているのが、メンバーの意識を「単なる集計屋」から「インサイト(洞察)を提供するビジネスパートナー」へと進化させることです。

 これまでの事業部経理は、営業会議や収益会議に参加し、受注の見通しや予算に対する予実差異を管理・集計して「結果はこうでした」と事業部長に報告するだけで業務を終えがちでした。しかし、FP&Aが果たすべき真の役割は、その数字をベースに「収益率の低いこのセグメントを改善するために、価格(プライシング)やアプローチをどう変えるべきか」という能動的な示唆やリカバリー策の提案を出すことです。

 現在は、現場のメンバー各自に「自分だったら担当事業部長にどのような提案を行うか」を深く研究してもらい、室内の発表会で議論し合うという取り組みを始めています。私が以前に在籍していた産業事業部門では、事業部長自身が「もっとビジネスパートナーとして、経営をドライブするための提案を持ってこい」と強く求め続けてくれる人だったため、非常に濃密な意思決定支援の実践ができました。このような成功体験と行動特性を、収益管理室のメンバー全員に横展開し、組織全体のケーパビリティを底上げしていきたいと考えています。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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