なぜ荏原製作所は「知財ROIC」を導入したのか──知財経営をMOTや人的資本経営と統合する挑戦の全貌
LexisNexis PatentSight+ Summit 2026 レポート Vol.4:株式会社荏原製作所 髙栁秀樹氏
カンパニープレジデントの関心に合わせて情報を最適化する
四半期ごとに実施される事業責任執行役との定例会において、髙栁氏ら知財部門が徹底しているのは、対話する相手(執行役)の関心やカンパニーの課題に合わせて、提供する知財トピックや見せ方そのものも「レトロフィット」する工夫である。事業や執行役によって、知財情報のどこに興味を示すか、何を見てどう判断したいかはまったく異なるからだ。
たとえば、あるカンパニープレジデントは「知財ROIC自体の数値の推移や、部内の知財活動の改善方針」そのものに強い関心を示す。一方で、特定の競合他社との特許ポートフォリオの比較や、競合技術の詳細なデータ分析を求める執行役もいれば、IPランドスケープ(同社では「プロアクティブ活動」と呼称)を通じた新事業提案や新市場探索の進捗をアジェンダとして重視する執行役もいる。
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