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経営企画の注目イシュー

AI導入前に必要な業務の「足し算」から「引き算」への移行──経営企画による縦割り組織の乗り越え方とは

ゲスト:株式会社kubellパートナー 執行役員CAO 角田 剛史氏

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組織変革としてのAI推進:ADKARの「A」と「D」を醸成する

栗原:業務整理の先にある「AIの全社浸透」を、なぜ単なるツール導入ではなく「組織変革(チェンジマネジメント)」として設計し直す必要があるのでしょうか?

角田:プロジェクトの半年の活動を振り返り、AI推進を「組織変革」として設計する要素を以下の6つに言語化しました。

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 従来のSaaS導入は既存プロセス(型)にシステムを当てはめる作業ですが、生成AIには正解の型がありません。社員一人ひとりが主体的に試し続けなければならないため、ツール導入ではなく「文化形成」として捉える必要があります。

 一般的に、いきなり「どう使うか」というKnowledge(知識)やAbility(能力)の付与から入りがちですが、変革管理フレームワーク「ADKAR(アドカー)」の視点では逆です。最も重要なのは、上流にある「A」と「D」の設計です。ここが弱いと文化形成には行き着きません。

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感覚ではなくデータで組織を動かす「測定設計」

栗原:現場の自律的な活用を促すために、どのような仕組みを取り入れていますか。

角田:確実な浸透のため、感覚に頼らず「主観(サーベイ)×客観(システムデータ)」の2軸で測定設計を行っています。

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 特に、この内製ダッシュボードをマネージャー以上に公開している点がこだわりです。自部署の状況をリアルタイムで確認・比較できる環境を作ることで、日常のマネジメントに自然とAI活用が組み込まれます。データを現場の「自律促進」のツールとして機能させた結果、プロジェクト開始から約半年で主要KPIや満足度スコアが大きく向上しました。

明日から実践できる「最初の一歩」

栗原:最後に、大企業のAI/DX推進責任者や経営企画の方々へ、明日から実践できる「最初の一歩」を含めてメッセージをお願いします。

角田:大企業での変革推進は縦割りの壁に阻まれがちですが、いきなり全社共通の「型」を作ろうとすると拒絶反応が起きる可能性が高いです。

 最初の一歩は、各部門で独自にAIを試している「隠れ推進者(点)」を繋ぎ、少しずつ「面」へと広げて、小さな横断組織を作ることです。そこでの成功事例を武器に経営陣を巻き込み、そこから大企業の論理に合わせた共通の型に落としていく順番が大切です。

 また、初期に操作方法を教える「ハンズオン型のマニュアル勉強会」を開催してしまうのも落とし穴です。まずはツールの使い方の話ではなく、「なぜ今AIを使う必要があるのか」「自分のどの業務をAIに任せられるか」をメンバー同士で棚卸しする「対話型ワークショップ」を組織ごとに実施し、内発的動機(Desire)を刺激すること。これこそが、その後の自律的な活用を大きく後押しする鍵になります。

栗原:本日は大変示唆に富むお話をありがとうございました。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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