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経営者とは“絵を描かないアーティスト” ──言語が“封じられること”で身につくイメージ思考力とは?

ゲスト:事業構想大学院大学 教授 丸尾 聰(まるお あきら)氏【前編】

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今、アーティストが落語にハマる理由

増村岳史氏(アート・アンド・ロジック株式会社 取締役社長、以下敬称略):先日、元アーティストで現在はIT企業を経営されている方と、ビジネスパーソン向けの講座を企画する機会がありました。「アートを学んだ経営者」という点で丸尾さんと共通していると思うのですが、その方が最近になって藝大時代の同級生の方々(ご本人以外はプロの芸術家)とグループ展をすることになり久々に作品づくりをしたところ、粘土にハマったと仰っていました。無心になれるから意識下のものが浮かび上がってきて気づきがあるのだそうで、ビジネスパーソン向けに何かやれるのではないかと仰っていたのです。

丸尾聰氏(事業構想大学院大学教授 以下敬称略):私は常々、新規事業企画のビジネスパーソン向けに、クリエイティブな発想法や思考法を身につけてもらうため、どんな教材が効果的かを考えています。確かに粘土という教材は効果がありそうですね。今は、立体物を観察する際の「スケッチブックと鉛筆」を使っているのですが、それよりも表現の自由度が高い。また、制作中に触覚を刺激するのも良いですね。私は最近落語に注目しています。落語のセリフは言語ではあるけれども、文字ではなく声で表現し、耳からインプットされますよね。しかも、話者が何役も演じるし、時間も空間も声や音1つで自由自在に超えていける。

増村:ぼくの周りにも落語好きは多いです。知り合いの画家の一人は、このステイホーム期間中に俳句と小説を書いていたらしいんです。ぼく自身もコロナ以前はよく新宿の末廣亭に通っていて。落語は言語でインプットされるけれど、映像がどんどん浮かぶ。そこが面白いんですよね。

丸尾:私が落語に注目したのも、まさにその点です。声を聞いているうちに映像化されるし、想像力も膨らんでくる。言語を使いながら言語野(脳の大脳皮質にある言語中枢のある領域)だけでなく、視覚野(大脳皮質の一番後ろにある領域)も使う感じがする。新規事業の企画発想力を鍛えるための教材としては、そこが重要な気がしています。

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