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事業開発の意思決定を突破するアプローチ

ビジネスモデルを文章で描く「バリューデザインシンタックス」──顧客・課題・価値のコンセプトデザイン

2023年3月2日開催「Biz/Zine Academy」レポート Vol.2

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事業コンセプトに求められること

 最後にここまでのおさらいとして、実在するサービスのコンセプトをVDSの各ボックスに整理してみよう。例として用いるのは、高級ドレスのレンタルができる米国のファッション・サブスクリプションサービス『Rent The Runway』だ。同サービスのコンセプトを、ここまでの話をもとに整理すると以下のようになる。

[画像クリックで拡大表示]

ミクロな視座

  • 顧客:創業者の妹 ベッキー
  • 課題:結婚式に着ていくためのドレスが欲しいが、高くて手が届かない。かといって、普段着で行くわけにもいかない
  • 価値:結婚式に着ていける、特別でおしゃれなドレスが安く手に入る

マクロな視座

  • 顧客:10~20代でファッションへの関心が高く、お金をかけたいがかけられない層
  • 課題:特別な日に着るための、一度きりの特別な衣装が欲しいが買えない
  • 価値:特別な日に、毎回新しい特別な衣装で出かけることができる

 コンセプトに求められるのは、「一人に熱狂される確信」と「(市場の)サイズが見込める確証」の両立だ。そのためには、徹底的に解像度とリアリティを高める「ミクロ」の視座と、抽象化を通じた「マクロ」の視座、双方の往復が必要となる。

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鈴木 陸夫(スズキ アツオ)

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