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日本企業発・イノベーションへの挑戦者

出島にせず大企業のアセットを活用する──トヨタ自動車発新規事業「WAVEBASE」の成長戦略

ゲスト:トヨタ自動車 山口剛生氏

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社内のアセットを活用して「大企業にしかできない戦い方」をする

──2024年の日本新規事業大賞にエントリーしたのは、どのような経緯だったのでしょうか。

山口:「WAVEBASE」のビジョンを世の中にもっと浸透させたいというのが最大のモチベーションでした。

 当時はサービスの存在自体がまだまだ世に知られていませんでしたし、知ってもらえていたとしてもむしろ「トヨタ自動車が材料メーカーのデータを収集して、自社に都合のいい材料を作らせるつもりなのでは」というネガティブなイメージを持たれがちでした。

 しかし、私たちは純粋にお客様のより良い材料開発に貢献することを目指しています。イノベーションの土台には材料の革新がある。だからこそ材料メーカー様ともっと連携を深めて、良い材料を早く世に出すこと貢献することが、最終的に多くの人の課題を解決し、幸せにすることにつながると考えています。その思いを正しく伝えるのに、日本新規事業大賞は良い機会になるはずだと思って登壇を決めました。

──実際に出場してみた感想を教えてください。

山口:サポートしてくれた方々に対して、「大賞を取れなくて申し訳ありません」という反省しかないですね。

 ただ、日本新規事業大賞をきっかけに入社を希望してくれた人がいて、人材採用面ではプラスに働いたと言えそうです。また、この登壇を機に社内の他の新規事業が公の場に出やすくなると良いと考え、今年、別の新規事業担当者に日本新規事業大賞への応募を勧めました。

──今後の展望について教えてください。

山口:これからも、お客様の課題に向き合うことをベースに、生成AIなど新しい技術を取り入れながら「WAVEBASE」で解決できることを増やしていく予定です。

 そして私自身の目標は、組織で成果を出すことです。事業が大きくなるにつれ、組織も大きくなり、メンバーも増えてきています。それぞれ多様な強みを持つメンバーがうまく活躍できるような組織を作っていきたいです。

──最後に、新規事業開発に関心のある読者に向けてメッセージをお願いします。

山口:「やってみれば意外とできる」ということは伝えたいですね。私自身、事業開発の知見がない中で始めましたが、それでもなんとか前に進められました。しかもその過程で、日本新規事業大賞のような思いもよらない成長機会も得られたので、「自分にはできないかもしれない」と躊躇せずにとりあえずチャレンジして欲しいです。

 その際、本業に寄り添いつつそのアセットを活用するという「大企業にしかできない戦い方」も視野に入れてみていただければと思います。社内で新規事業に取り組む意義は、きっとそこにもあるはずです。

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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