Thinkingsは、「採用管理システムsonar ATS」において、社内公募とキャリア採用を統合する新機能「sonar Connecter」の提供を開始した。これに合わせて、社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査を行った。
テーマ1.「埋もれ人材」「能力発揮人材」の「静かな退職」との関係
1.およそ4割が、能力が十分に発揮されていない「埋もれ人材」
Q.現在の部署の業務で、自分の能力が十分に活かされていると思いますか(単一回答)。
- 「活かされている」8.8%、「どちらかと言えば活かされている」46.9% 2つの合計は55.7%。これを「能力発揮人材」と呼ぶ。
- 「活かされていない」17.6%、「どちらかといえば活かされていない」26.7%、2つの合計は44.3%。これを「埋もれ人材」と呼ぶ。「埋もれ人材」は全体のおよそ4割存在。

2.必要以上の努力や関与を極力避ける“静かな退職”予備軍の割合は全体の約1/4
Q.あなたの業務に対する姿勢として当てはまるものを1つ選んでください(単一回答)。
- 「期待される以上の業務をこなそうとしている」は18.4%。「期待される業務をこなすことを第一に考え、余裕があればそれ以外の業務も対応しようとしている」は56.9%。
- 「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力避けるようにしている」の24.6%を“静かな退職”予備群と位置付ける。“静かな退職”予備軍は全体の約1/4にあたる。

3. “静かな退職”予備軍の割合、 「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上多い
Q.あなたの業務に対する姿勢として当てはまるものを1つ選んでください(単一回答)。
<「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計>
- 「期待される以上の業務をこなそうとしている」は、「能力発揮人材」は23.5%、「埋もれ人材」は12.2%で、「能力発揮人材」のおよそ半分。
- 「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力さけるようにしている」(“静かな退職”予備軍)は、「能力発揮人材」で12.3%、「埋もれ人材」で40.8%。つまり、“静かな退職”予備軍の割合が、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上になる。

テーマ2.「社内公募制度」の実態
4.およそ4割が「社内公募制度がある」と回答
Q.あなたの勤務先にはどのような制度・環境がありますか。(複数回答)
<社内公募制度の有無の集計>
- 勤務先に社内公募制度があると答えた割合は43.4%とおよそ4割。

5.「埋もれ人材」の勤務先はキャリアなどに関する制度導入や環境整備が進んでいない
Q.あなたの勤務先にはどのような制度・環境がありますか(複数回答)。
<「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計>
- 「あてはまるものはない」を除くすべての選択肢において、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」より回答が少ない結果に。「埋もれ人材」の勤務先は「能力発揮人材」に比べてキャリアや働き方に関する制度導入や環境整備が進んでいない傾向がある。
勤務先のキャリアや働き方に関する制度や環境が整っていないことが「埋もれ人材」を生み出し、減らせない要因の1つになっていると考えられる。

6.社内公募に応募した人は全体の約2割、応募して異動した人は全体の約1割
Q.(対象:勤務先に社内公募制度がある)社内公募に応募したこと、それにより異動したことがありますか。あてはまるものを1つ選んでください(単一回答)。
- 「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は11.1%、「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は9.2%。つまり、社内公募に応募したことがある人は全体の約2割で、それにより異動できた人は全体の約1割。
- 「社内公募に応募したことがない」人は79.7%と8割弱。

7.社内公募で異動した人には「会社への満足度が上がる」などのポジティブな変化あり
Q.(対象:社内公募に応募して異動できた人)社内公募による異動をして変わったことについて、あてはまるものをすべて選んでください(複数回答)。
- 具体的な回答で最も多いのは「会社への満足度が上がった」40.0%、2番目は「やりたかった仕事ができるようになった」37.5%、3番目は「能力を発揮できるようになった」25.0%。

テーマ3.社内公募・異動への期待
8.社内公募により異動した人は「能力発揮人材」が「埋もれ人材」の約2.5倍多い
Q.(対象:勤務先に社内公募制度がある)社内公募に応募したこと、それにより異動したことがありますか。あてはまるものを1つ選んでください(単一回答)。
<「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計>
- 「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は、「能力発揮人材」7.5%、「埋もれ人材」12.5%と、「埋もれ人材」の人が5.0ポイント(約1.6倍)多い。
- 「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は、「能力発揮人材」15.0%、「埋もれ人材」5.9%と、「能力発揮人材」の方が9.1ポイント(約2.5倍)多い。
この結果は、社内公募による異動をきっかけに「埋もれ人材」が「能力発揮人材」に変わる可能性を示している。一方で、社内公募による異動をしても「埋もれ人材」のままの人も一定数存在。社内公募だけの問題ではないことも示している。

9.「埋もれ人材」が社内公募に応募しなかった理由、最多は「希望するポジションの公募が無かった」45.9%
Q.(対象:社内公募に応募したことがない人)社内公募に応募しなかった理由は何ですか(複数回答)。
<「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計>
- 「能力発揮人材」が多いのは「今の部署・仕事に満足しているため」で、49.4%、「埋もれ人材」の9.0%より40.4ポイント多い。
- 「埋もれ人材」はそれ以外のほとんどの項目で多く、最も回答が多いのは「希望するポジションの公募がなかったため」の45.9%。2番目は「応募できる条件に当てはまらなかったため」の27.9%。3番目は「社内公募に応募すると上司や職場から悪く思われる懸念があるため」の18.9%。
公募するポジションや応募条件を広げること、応募することで「悪く思われる」「評価が悪くなる」といった懸念を解消することが、社内公募の応募を増やすために有効と考えられる。

10.およそ半数は今後希望するポジションの社内公募があれば応募意向がある
Q.あなたは今後、希望するポジションの社内公募があれば、応募したいと思いますか。勤務先に社内公募制度がない場合は、制度があると仮定してお答えください(単一回答)。
- 「応募したい」17.1%、「どちらかと言えば応募したい」32.7%、合計で49.8%。
およそ半数は今後、「希望するポジションの社内公募があれば応募したい」と考えている。

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