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マミートラックから抜けたくて事業を起案 JR東日本の小西さんとPeerCrossが迎えた幸福な出口

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事業化決定から産育休を経て3年越しにローンチ

小西:事業化検証の段階では「本業80%、新規事業20%」という兼務でのスタートだったんです。本業の手を抜くわけにはいかないので、同じフロアでSuicaの業務をこなしつつ、残りの20%でワーママたちにインタビューしたり、PoCを回したりしていました。精神的にも肉体的にも最もきつかった時期です。2021年2月の最終ピッチで事業化が正式に決まった直後、第二子を妊娠しまして……。

椿:事業化の権利を得た直後に、再びライフイベントが訪れたと。会社側はどのような反応でしたか?

小西:上司に報告したところ、私の産休・育休が明けるまで事業化を待ってもらえることになりました。復帰後の2022年から準備を再開し、システム開発などを経て2023年7月に実質的なサービススタートとなる有償トライアルを開始しました。サービスを正式にローンチしたのは2024年1月です。

椿:PeerCrossはどのようなサービスなのでしょうか。

小西:大手企業に勤めるワーママを対象としたキャリア形成支援サービスです。社外のワーママ同士をつなぎ、1対1でキャリアの悩みを相談できる「社外1on1」や、お昼休みにカジュアルに参加できる「座談会」などを実施しています。女性活躍推進に取り組む人事向けにBtoBで展開し、社外との“越境”を通じて女性社員の前向きな意識・行動変容を促す仕組みです。男性比率が高く、社内に女性のロールモデルが少ない大手企業様を中心に導入いただいています。

ゼロから始めた法人営業で約40社に導入

椿:約40社(2026年4月時点)に導入されているとのことですが、そもそも鉄道会社であるJR東日本の中で、人事向けサービスの営業活動を進めることは容易ではなかったはずです。

小西:本当に大変でした。当社は典型的なBtoCの企業なので、社内に法人向けの営業組織がほとんど存在しないのです。そのため、営業活動はゼロからのスタートでした。

椿:ゼロからどのように導入企業を増やしていったんですか?

小西:Suicaの事業企画チーム時代に、鉄道業界を中心にICカードの相互乗り入れに関わる事業者の方々と接点があったため、その伝手をたどって人事のご担当者を紹介いただき、営業リストを1から作っていきました。

椿:泥臭く人脈を開拓されたんですね。商談での反応はいかがでしたか?

小西:初期の商談で多く寄せられたのは「他社のワーママ同士をつなげて一体何になるのか」「会社の愚痴の言い合いになるのではないか」「転職の引き金になるのではないか」という人事の皆さまの懸念でした。

 お声を受けて、愚痴で終わらせない前向きな行動変容のための1on1・座談会設計を徹底しました。社内のトライアルに参加した社員から「社外のワーママの姿を見て、私もマミートラックから抜け出して挑戦しようと思った」「10年間時短勤務だったが、PeerCrossのおかげで管理職試験に挑戦して登用された」など、具体的な意識・行動の変容データを集めました。そのデータのおかげで、今では自信を持って「自社に対するエンゲージメントが高まり、前向きな挑戦を引き出すサービスです」と商談で語れるようになっています。

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撤退?スピンアウト?PeerCrossが迎えた幸福な出口

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この記事の著者

渡辺 佳奈(Biz/Zine編集部)(ワタナベ カナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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