巻末コラム:「消えゆく手」の中では、“組織の優秀さ”が無能力の要因となる(村上恭一・著)
クリステンセン(2011)は「コア・コンピタンスばかりに目を向けていると、経営者を過去の成功体験にしがみつかせることになりやすい。」( in Chesbrough 2011)*1と警鐘を鳴らしています。社内で「自社の強み」「得意分野」等の声が飛び交うようになると危険だということです。「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」ということでもあります。イノベーションのジレンマの9章で述べられているのは、組織の優秀さが無能力の要因になるということです。このことをクリステンセンは他者の本、それもオープンイノベーションの本でも語っていることに注目する必要があります。